イザナミの禊で誕生した水の神
「表筒男命」「中筒男命」「底筒男命」
日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑
まだ日本という国がなかった頃、国生みの神イザナギとイザナミによって多くの神々が誕生しました。彼らにはそれぞれ役割や力が与えられ、日本国を統一していきます。では、どのような神様がいるのかご存じでしょうか? 主要な神様のプロフィールを、祀られている神社やご利益とともに紹介する本連載。今回は三柱の水の神々として知られる、ウワツツノオ・ナカツツノオ・ソコツツノオです。
表筒男命(ウワツツノオ)中筒男命(ナカツツノオ)底筒男命(ソコツツノオ)
イザナギが黄泉の国から逃げ帰り、ケガレを払おうと行った禊の際に、その水中より化成した三柱の水の神々。中でも神功皇后が、三韓征伐に出兵した折に、この住吉大神の加護が、大いなる戦果をもたらし、その航海の無事が認められたことから、海の神、航海の神として篤い崇敬を集めるようになった。
古事記|表筒男命・中筒男命・底筒男命
日本書紀|なし
基本属性「航海の神」
イザナギが水に身を沈めたことで生まれたので水の神とされている。このとき綿津見三神も生まれており、この三神とも航海の神とされている。
代表的ご利益「航海安全」
住吉三神が祀られている全国の住吉系神社は、航海安全のほか特になし。
代表的神社
住吉大社
神功皇后(応神天皇の母)が西暦211年に住吉三神をこの地に祀ったことが起源とされる。神功皇后を祀る古い神社の代表と称され、八幡神の祖神とされている。また、「住吉造」といわれる御本殿は、神社建築史上最古の特殊様式で国宝に指定。
住吉大社
住所|大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89
Tel|06-6672-0753
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「大国主神」
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・表筒男命/ウワツツノオ、中筒男命/ナカツツノオ、底筒男命/ソコツツノオ
監修者
東條英利(とうじょう・ひでとし)
カルチャージ代表取締役。神社ライター
日本の素晴らしさの再発見と日本人の基礎教養力向上を目的に、執筆・講演活動を行う。全国の神社情報専門ポータルサイト「神社人」を主宰し、現在までに訪れた神社の数は数千社以上。著作に「日本人の証明」(学研パブリッシング)、神社関連書籍や雑誌の監修などを手掛ける。フェイスブックやアメーバブログを日々更新中。
東條英利公式サイト
神社人
text=Hidetoshi Tojo, Hisanori Kato, Takehiro Nanbu
illustration=Hitomi Iha
2013年4月号新しい歌舞伎入門