大阪・関西万博
《未来社会ショーケース》
6つのキーワードから未来の当たり前が生まれる!【前編】

大阪・関西万博がいよいよ開催。今回はどんな新技術が発表され、未来社会に不可欠なものとなるのだろう。最新鋭の技術を集め未来社会を体験できる「未来社会ショーケース」にスポットを当てて紹介しよう。今回は、6つのキーワードをそれぞれ解説していく。
《スマートモビリティ万博》
Smart Mobility Expo
バスや船などの移動手段も未来型に

提供=岩谷産業株式会社
水素と電気のハイブリッドで航行する「水素燃料電池船」が、万博の期間中、大阪の中心部と会場を結ぶ旅客船として国内初運航される。水都・大阪らしい水運でのアクセスが、環境に配慮した船で実現する。また来場者の移動手段として、パーク&ライドシャトルバスや駅シャトルバスにもEVバスが導入され、会場の内外でその乗り心地を体験できる。一部のバスでは、自動運転走行や走行中給電などのEVバスの実証実験も予定。次世代モビリティとして、空飛ぶクルマも一部エリアでの運行を目指している。

提供=関西電力・Osaka Metro
《デジタル万博》
Digital Expo
最新技術で超スマートな会場を実現

先端デジタル技術で未来を先取りする“超スマート会場”を実現。快適な来場体験をサポートする情報案内アプリや、セキュリティの高いシームレスな公衆Wi-Fiサービスを提供。外国人来場者への案内には、純国産の翻訳エンジンによる自動翻訳システムを採用。また、大容量・低遅延・消費電力を抑えた最先端の通信や、豊富な階調表現と高い色再現の映像装置を使う演出も。来場者の体験と万博運営をトランスフォーメーションする。
《グリーン万博》
Green Expo
脱炭素社会を実現する先進技術の展示も

カーボンニュートラル社会に向けた先進技術を体験できる「グリーン万博」。「リユースマッチング事業」などを通して、万博開催中や閉会後に発生する廃棄物の削減とリユース、リサイクルに取り組む。また大気中のCO2を直接回収する設備「DAC」のプラントの見学や、CO2を使った道路用下地材やアスファルト舗装の歩き心地の体験なども可能。-160℃以下の極低温を活用する新方式のCO2回収装置・DACの展示では、回収されたCO2がドライアイスになる様子も見られる。会場内から回収した生ごみを発酵させてできるガス中のCO2と、再生可能エネルギー由来の水素から、都市ガスの主成分であるメタンを合成する「メタネーション」の展示も。


《バーチャル万博》
Virtual Expo
会場に行かずして万博を体感できる

ARやVR技術を活用したバーチャル会場「バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~」が4月にリリース。会場や各パビリオンなどを3DCGで再現。来場者はアバターとして大阪・関西万博の世界に入り込み、再現された施設をめぐり各出展者のバーチャルならではの展示やイベントを楽しめる。リアル会場に行けない人はもちろん、訪問の予習にも役立つ。アプリは無料で、スマートフォンやPC、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)にも対応。
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text: Miyo Yoshinaga
2025年4月号「ローカルの最先端へ。」