「地獄めぐり」の別府温泉をはじめ
多数の温泉が湧く「大分県」
「47都道府県の魅力を再発見!」をテーマに、これまで編集部が取材してきた各地のモノ・コトを永久保存版として紹介する《Discover Japan的、日本再発見の旅》。今回は大分県を取り上げます。新たな魅力を知るきっかけや、旅の計画を立てるのにもお役立てください。
最高の休みを過ごすにふさわしい
“おんせん県”おおいた
別府・由布院という日本有数の温泉地を有し、源泉数・湧出量ともに日本一のおんせん県。別府では学校の室内プールや病院の風呂のほとんどが温泉で、110円で入浴できる温泉施設も点在するなど、生活の隅々まで温泉文化が根づく。
関さばや関あじ、城下かれいなどの高級魚の産地としても有名。専門店が多い中津市が“からあげの聖地”と呼ばれるほか、1962(昭和37)年に大分市の食堂から誕生したという説がある鶏肉の天ぷら「とり天」も郷土料理であり、鶏肉の消費量も日本一を誇る。
大分(おおいた)という難読な県名が称せられたのは明治に入ってから。『豊後国風土記』によれば、日本武尊を父にもつとされる景行天皇が訪れた際に「広大なる哉、この郡は。よろしく碩田国(おおきた)と名づくべし」と名づけ、後に“大分”と書かれるようになったといわれている。
名所・観光
臼杵石仏
岩壁に仏像を彫った磨崖仏。平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻されたといわれ、磨崖仏として日本初の国宝に指定された。
住所|大分県臼杵市深田804-1
問|臼杵石仏事務所
Tel|0972-65-3300
その他
耶馬渓
宇佐神宮
文殊仙寺
年中行事
別府八湯温泉まつり
100年以上の歴史をもつ伝統ある祭り。市内約100カ所の温泉が無料開放され、「湯・ぶっかけまつり」などの催しが行われる。
会期|毎年4月1日・第1週末
会場|大分県別府市
その他
日田祇園祭
大分七夕まつり
姫島盆踊り
美術館・建築
大分県立美術館(OPAM)
世界的建築家の坂茂氏が、国内ではじめて手掛けた公立美術館として話題。コレクションは大分県ゆかりの作家の作品が中心。
住所|大分県大分市寿町2-1
Tel|097-533-4500
http://www.opam.jp/
その他
アートプラザ
大分市美術館
朝倉文夫記念館
郷土料理
とり天・唐揚げ
身も衣もふっくらとしたとり天は、酢醤油かポン酢で食べるのがスタンダード。しっかりと下味がつき、衣が薄いのが特徴。
その他
りゅうきゅう
だんご汁
ひゅうが丼
食
Otto e Sette Oita
使用する食材は、ほぼ大分県産。別府名物の地獄蒸しの調理法を取り入れたメニューなど、地元の恵みが味わえる地産地消イタリアン。
住所|大分県別府市井田2組
Tel|0977-66-4411
営業時間|12:00〜14:00(L.O.)、18:00〜21:00(L.O.)
定休日|火・水曜
https://www.ottoesetteoita.com/
クラフト
アトリエときのうつわ
里山の雑木や間伐材を使用した、木工芸品を製作・販売。それぞれ木の色や木目が異なり、長く使うほど風合いが深まる。
Tel|0977-84-5171
http://www.ateliertoki.jp/
名産・土産
安心院葡萄酒工房の安心院スパークリングワイン
安心院町で収穫されたシャルドネを100%使用。1年以上熟成させた辛口。
Tel|0978-34-2210
http://www.ajimu-winery.co.jp/
旅館・ホテル
ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ
テラスに絶景を望むプライベート温泉露天風呂が備えられた客室など、ワンランク上の贅沢を提供。
住所|大分県別府市大字鉄輪499-18
Tel|0977-66-1000
客室数|89室(露天風呂付21室)
料金|離れ1泊2食付7万3720円〜(サ込・税別、入湯税別)
https://anaicbeppu.com
方言
しんけんおいしいなぁ(すごく、美味しいですね)
その他
しんけん怒ったどー!(すごく怒ったぞ!)
うたちーこと、するな!(しみったれたことをするな!)
あんしはえらしーなぁ(あの人はかわいいね)ほか
なんでもランキング!
カボスの生産量→全国1位
温泉源泉総数→全国1位
トンネルの数→全国1位
ご当地Q&A
八幡社の総本宮である大分県の神社は?
大分県宇佐市の宇佐神宮。『日本書紀』にも記された725(神亀2)年創建の由緒ある神社で、触りながら1周するとご利益があるという樹齢800年のご神木などパワースポットも。
平たい麺にきな粉をまぶした大分県の郷土料理は?
やせうま。平安時代に貴族が乳母の八瀬(やせ)につくらせたものが美味しかったため、「八瀬(やせ)、うま」と乳母にねだったことか生まれたといわれている。
大分県・基本データ
DATA
県庁所在地|大分市
市町村数|14市・3町・1村
面積|6341㎢
人口|114万人
人口密度|180.4人/㎢
訪問観光客数(年間)|1026万人
県の木|ブンゴウメ
県の花|ブンゴウメ
県の鳥|メジロ
気候
年平均気温|17.1℃
最高気温|33.9℃
最低気温|1.5℃
降水量|1663㎜
快晴日数|34日
降水日数|101日
雪日数|14日
観光
温泉数|64
宿泊施設数|1107(ホテル+旅館)
美術館数|17
博物館数|13
道の駅数|25
国宝|宇佐神宮本殿ほか
重要文化財数|83(内国宝は4)
史跡数|41
名勝数|3
天然記念物数|23
国立公園・国定公園|阿蘇くじゅう、日豊海岸、祖母傾、瀬戸内海、耶馬日田英彦山、全5カ所
出身有名人
深津絵里/ユースケ・サンタマリア/竹内 力/指原莉乃/南こうせつほか
天然記念物
竹田市神原の大野川水系イワメ生息地/九重山のコケモモ群落/尾崎小ミカン先祖木/小半鍾乳洞/柞原八幡宮のクスほか
edit&text=Keditorial,Miho Hasegawa,Minori Fujikawa,Satomi Koba,Yayoi Tatsu
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」
《SDGs視点で読み解く》
県内各地域の立地条件を生かした農業が展開される大分
人間、地球及び繁栄のための行動計画として、持続可能な開発目標として国際的に採択されたSDGs。17の目標のうちゴール8の「働きがいも経済成長も」に注目すると、大分県は「人口1人当たりの県内総生産対前年増加率」が全国で4番目に多く、「失業率(完全失業者数/労働力人口)」は全国で4番目に少ない県です。
大分県には、鉄鋼、石油、化学、半導体、機械、自動車、医療機器など幅広い産業がバランスよく立地しています。また農業では、お米や野菜(白ねぎ、トマト、いちご等)、果樹(なし、カボス等)、花などの園芸作物、肉用牛を中心とする畜産など、県内各地域の立地条件を生かした農業が展開されているのが特徴です。