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「田中帽子店」の伝統工芸品”麦わら帽子”
本物をつくり続けて100年以上もの歴史ある老舗

2021.6.21
「田中帽子店」の伝統工芸品”麦わら帽子”<br><small>本物をつくり続けて100年以上もの歴史ある老舗</small>

埼玉県春日部市にある「田中帽子店」は、麦わら帽子を中心とした天然素材の帽子づくりを行う工場。昔と変わらぬ製法で、伝統的な麦わら帽子を作り続け、「伝統工芸品」に認められた。最近では、実用品としてだけでなく、ファッションアイテムとしても注目されている。

田中帽子店
創業明治13年。埼玉県春日部市にある帽子工房。 麦わら帽子を中心に、専用ミシンをつかった帽体作り、型入れ、仕上げまで当工房の職人の手でひとつひとつ仕上げている。普段から気軽に使えるようなお手頃でシンプルな帽子を紹介している。

明治13年創業
100年以上もの歴史を誇る老舗

創業は明治13年。日本で数少ない、麦わら帽子を中心とした天然素材の帽子工場。現在は6代目の田中優さんに引き継がれている。工場は、埼玉県の東部に位置する春日部市にある。古利根川という大きな川が流れる春日部市は、昔から米や麦の生産地で栄えた地域。

創業当時は、麦わら帽子の材料である、「麦わら真田」を作って海外に輸出していた。麦わら真田は、7本の麦の茎を手で編み、真田ひも状にしたもの。明治30年頃、ドイツから日本に帽子用のミシンが輸入され、ミシンを使った本格的な生産を開始した。当時 春日部市には多くの麦わら帽子に関わる会社が存在し、後に春日部市の「伝統工芸品」に認められた。

麦わら帽子は、シート状の材料をプレスして成型する方法と違い、材料をミシンに取り付け、帽子の形に縫製したのち、プレスして成型する手間の掛かる仕事。職人は、1本の麦わら真田を円状に重ねながら帽子の形に縫製していく。

その造形美は独特で美しく、また重なった部分に伸縮性が生まれることでかぶり心地が抜群。また、麦わら帽子は天然素材の通気性により、涼しく感じる。麦わら帽子は長い問、多くの農家や幼稚園や保育園の子供たちに愛用されてきた。今もなお、昔と変わらぬ製法で、伝統的な麦わら帽子を作り続けている。

麦わら帽子ができるまで

田中帽子店の工房で作る製品には、園児用帽子、レジャー用帽子や農作業用帽子などがある。ここでは、明治・大正・昭和・平成と受け継がれてきた伝統ある田中帽子店の製造工程を紹介。製造は大きく分けて4工程に分類される。

1|職人の手感覚が試される「縫製」

水に浸し柔らかくした麦わら真田を製帽用のミシンで縫製をする。「渦」と呼ばれる帽子の「つむじ」の部分から縫い始め、円状に重ねて縫製していく。時折、帽子の木型で大きさを確認しながら慎重に縫い進める。

材料 細ければ細いほど縫製が難しくなり、熟練した職人でなければ美しい形を作ることができない。熟練の高い技術で縫われた帽子は見た目の美しさだけでなく、かぶり心地も抜群。

麦わら帽子は、来春に向けて秋から冬にかけて縫製。材料を水に滞らして柔らかくした後に縫製するため、縫いあがった麦わら帽子を天日干しをする。特に冬の寒い乾燥した時期に行われることが多いため「寒千し」と呼ばれ、地面一面に並ぶ麦わら帽子は春日部市の「季節の風物詩」となっている。

2|帽子に個性を与える「型入れ」

金型を取り付けた専用の型入れ概を使い、水圧でプレスし成型。デザインによってはクラウンとブリム、別々の木型を組み合わせ、1つ1つ手蒸しで成型する場合もある。

数多くの型があれば、組み合わせ次第で様々なデザインの帽子を作ることが可能。

3|帽子のアクセントとなる「装飾」

型入れ後、汗止めやリボンなどの装飾を施す。すべて手作業で行い、アクセントとなるリボンも職人が一つ一つ丁寧に縫い付けていく。

4|かぶる人のためを想った職人の心づかい「仕上げ」

仕上げに細かな麦わらの「ささくれ」を取り除く。麦わら真田には、麦わらを編んだ時に表面の皮がめくれたり、芽の部分が飛び出したりしている。そのままかぶると、チクチクするので、かぶる人のため、これを1つ1つ手のひらで帽子をさすりながらカットしていく。

人気のあるフォルムの女優帽「Anne」
大人スタイルのカンカン帽「Marin/f」

左:Anne 右:Marin/f

シンプルで人気のあるフォルムの女優帽
カジュアルでおしゃれな夏の必須アイテム。街歩きやリゾートなど、様々な場面で活躍する帽子。

麦わらのナチュラルカラーにブラックリボンの定番スタイル。 落ち着いた雰囲気の中にも、太めのリボンの結び目が、かわいらしさを演出してくれる。帽体は日本人にあった木型で製造されているのでフィット感が抜群!いろいろなファッションと合う。

Anne(アンヌ) つば (短)
価格|1万1000円(税込)
カラー|ナチュラル
サイズ(約)|頭周り 57.5cm、59cm
素材|麦〈本体〉麦わら〈グログラン リボン〉レーヨン〈汗止め〉ポリエステル
仕様|テープでサイズを微調整可(約-1.5cmまで)田中帽子店謹製タグ付き
※職人による手作りのため、製品により個体差がある。

人気のカンカン帽を少し細め素材で、より大人スタイルで
カンカン帽と言えば女性用帽子の定番。年代を問わず愛されているデザインで、夏のワードローブの定番。このマランは少し細めの素材で作られ、9㎝の高さでしっかり被ることが出来る、大人仕様のカンカン帽。

細い麦で作ることで、職人の手仕事が感じられ、上品な雰囲気も醸し出している。しっかり被っても、少しのせるように斜めに被っても被り方は自由自在。ナチュラルな雰囲気で、シンプルなデザインなので、Tシャツにデニム姿などのラフな格好だけでなく、麻素材などのワンピースなどスタイルを選びません。街中やリゾートなど場所も選ばないのが魅力。キッズ用カンカン帽で、親子ペア(母子)もおすすめ。

Marin/f(マラン/フェム)
価格|8800円(税込)
カラー|ナチュラル
サイズ(約)|頭周り 1サイズ 57.5cm
素材|麦わら、レーヨン、ポリエステル(汗止め)
仕様|面テープでサイズを微調整可(約-1.5cmまで)田中帽子店謹製タグ付き
※職人による手作りのため、製品により個体差がある。

2重リングのリボンがデザインのアクセント
「Alek」麦わら ウエスタン風ハット

日本の伝統的な「夏の帽子」といえば麦わら帽子。定番の中折れハットが多いなか、今回はアウトドア向けに企画。デザインは、テンガロンハットやカウボーイハットと言われる両サイドのつばが反り上がったウエスタン風。グランピングやBBQなどのアウトドアスタイルにぴったり。2重リングのリボンが特長で、長さが調節できるあご紐も付いているので、フィッシングやマリンスポーツなどにもおすすめ。
※58cmと60cmの2サイズ展開なので男女兼用で利用できる。

7本の麦茎を手で編んだ「麦わら真田」を材料としている。麦わら帽子は、折り畳むことが出来ないので、持ち運びに多少の不便さはあるものの、麦わら帽子ならではの魅力がたくさんある。それは、天然素材ならではの素材感と涼しさ。

麦わらは、日光に当たるとわずかにきらきらと光る。これは人工の素材ではないことで、麦わら独特の特長。涼しさについては、多くの農家がいまだに愛用していることで実証済だが、茎の繊維自体に目に見えない無数の穴がいくつもあり、乾燥した後、空気穴の役割を果たしているものと思わる。また、少し硬めの素材であるため、つばを長くしても垂れづらいことから、日除け用としても重宝できる。

Alek(アレック)麦わら ウエスタン風ハット
価格|7700円(税込)
カラー|ナチュラル
サイズ(約)|頭周り M:58cm、L:60cm
素材|〈本体〉天然草木(麦わら)、〈リボン・汗止め・あご紐〉ポリエステル、金具(D管:黒ニッケル)、他
仕様|テープでサイズを微調整可(約-1.5cmまで)あご紐付(ループストッパー有り)田中帽子店謹製タグ付き
※職人による手作りのため、製品により個体差がある。

田中帽子店
https://tanaka-hat.jp/


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