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《国立科学博物館》
国内唯一国立の総合科学博物館 【序章】

2022.10.20
《国立科学博物館》<br><small>国内唯一国立の総合科学博物館 【序章】</small>

国立科学博物館は、約2万5000点の標本を展示する日本最大級の博物館だ。恐竜の化石から動物の剥製、日本列島の歴史、最先端テクノロジーまで、遊び心も取り入れたワクワクさせる展示で、自然史と科学技術史を探究できる。

地球館1階の展示室中央には、マッコウクジラの半身模型付全身骨格標本が

収蔵する登録標本数は490万点以上!

1877年に創立された国立科学博物館は、国立で唯一の総合科学博物館。上野公園内にある地球館と日本館に加え、茨城県つくば市にある筑波実験植物園と筑波研究施設、東京都白金台にある附属自然教育園で構成され、日本及びアジアの自然史や科学技術史に関する中核施設として、「調査研究」、「標本資料の収集・保管」、「展示・学習支援」という主要な3つの活動を推進している。収蔵する登録標本数は490万点以上。そのうち約2万5000点が地球館と日本館で展示され、軟体動物以外ほとんどが実物の標本。実物ならではの迫力満点の展示が魅力だ。

見どころは標本だけにとどまらない。2015年に北側を改修した地球館では、最新テクノロジーを取り入れながら、視覚で楽しく科学に親しめる展示を実現。国指定重要文化財でもある日本館では、荘厳な雰囲気の中、科学的なアプローチで多角的に日本を紹介している。特別展のみならず、常設展示目当てに訪れるファンが多いというのも納得の展示内容だ。常設展示のメインメッセージは「人類と自然の共存をめざして」。フロアごとにテーマを設けた展示を通じ、自然と人類が共存可能な未来を築いていくための在り方を、博物館とともに考えさせられる。

日本館では、日本列島の自然と生き物の進化を深く知ることができる

【国立科学博物館年表】
1871(明治4)年
文部省博物局の観覧施設として湯島聖堂内に展示場を設置
1872(明治5)年
文部省博物館の名ではじめて博覧会を公開
1875(明治8)年
「東京博物館」と改称
1877(明治10)年
上野山内、西四軒寺跡(現東京藝術大学の位置)に新館が一部竣工、東京博物館を「教育博物館」と改称(この年をもって創立年としている)、小石川植物園を東京大学に移管
1881(明治14)年
「東京教育博物館」と改称
1889(明治22)年
高等師範学校の附属となり、高等師範学校に隣接する湯島聖堂内に移転
1914(大正3)年
東京高等師範学校から独立し「東京教育博物館」となる
1921(大正10)年
「東京博物館」と改称
1923(大正12)年
関東大震災により、施設、標本のすべてを消失 
1931(昭和6)年
「東京科学博物館」と改称し、上野新館(現日本館)が竣工。天皇・皇后両陛下の行幸啓を仰ぎ開館式を挙行(この11月2日を開館記念日としている)
1949(昭和24)年
文部省設置法により「国立科学博物館」設置
1962(昭和37)年
文部省設置法の一部改正により、自然史科学研究センターとしての機能が付与され、研究体制を強化。国立自然教育園を統合し「附属自然教育園」を設置
1976(昭和51)年
筑波地区に「筑波実験植物園」設置
2001(平成13)年
独立行政法人国立科学博物館となる(文部科学省所管)
2004(平成16)年
新館(現地球館)グランドオープン
2006(平成18)年
シアター 360○オープン、建物名を「地球館」「日本館」に改称
2007(平成19)年
日本館オープン
2008(平成20)年
日本館(旧東京科学博物館本館)重要文化財に指定
2015(平成27)年
地球館(Ⅰ期)リニューアルオープン

 

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text: Nao Ohmori photo: Shinsuke Matsukawa
Discover Japan 2022年9月号「ワクワクさせるミュージアム!/完全保存版ミュージアムガイド55」

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