チームラボ ボタニカルガーデン 大阪
夜の長居植物園で過去から未来への時間を旅する
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4月1日、ツバキ園やバラ園など、各エリアに新品種の種植えなどを施し、リニューアルした長居植物園。その植物園を舞台に、アート集団「チームラボ」が夜の常設展「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」を2022年7月29日(金)にオープンする。昼の植物園では味わえない空間を、自然とテクノロジーを掛け合わせた作品を紹介しよう。
植物園×デジタルアートを
融合させた幻想的な空間
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「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」は、約24万㎡、約1200種類の植物が生い茂る長居植物園内の空間をそのまま使い、「Digitized Nature=自然が自然のままアートになる」プロジェクトの考え方をベースに、人間は自分の人生より長い時間を認知できないのではないか、という「長い時間の連続性」の境界を、過去、現在、未来で生きる自然を通して模索、表現していく。
昼と夜で表情を変える、
森と呼応する小宇宙
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ツバキ園エリアの中にコロンとしたフォルムの彫刻が立ち並び、森と小宇宙が融合した不思議な空間。
コロンとした可愛らしくも不思議な卵型の彫刻群は、人に押されたり、風に吹かれたりして倒れると、音色を響かせ、自ら立ち上がる。その周辺の彫刻も次々に呼応し、同じ音色を響かせながら、連続していく。
また本作品は昼と夜では異なる表情を見せ、日中は周囲の世界を映しはじめ、日没後は闇の中で彫刻が自ら光り輝き出し、57色の「液化された光の色」で幻想的な空間をつくり上げている。
※本展覧会は日没後の開催だが、この作品は日中でも植物園内にて鑑賞が可能。
触れるたびに生命を感じる森
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ユーカリエリアで高密度に立ち続ける光のovoid(卵形体)は、それぞれ自律している。人にかき分けられたり、風に吹かれたりして倒れると、立ち上がりながら光の色を変え、色特有の音色を響かせる。周辺のovoidにも次々に呼応し、同じ色に変化し音色を響かせながら、連続していく。ovoidは、風が静かで人々が何もしない時、ゆっくりと明滅をはじめる。
ovoidの奥から光が押し寄せてくれば、向こうに人がいることを意味する。同じ空間にいる他者の存在を普段よりも意識するだろう。
永遠に変化し続ける、
線の集合体
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二次林エリアにある本作品。人が作品の中に入り止まってしばらくすると、新たな線の集合が生まれて広がっていく。その線の集合によって、木々は平面の層へと変わる。作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続け、全体として以前の状態が複製されることなく、人の動きに影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。
自分から分けて広がっていく炎群は
世界中へと広がっていく。
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黒い絶対的な存在によって、炎の形が変化。永遠に変化し続ける。
二次林エリアの《憑依する炎》は、チームラボが開発したスマートフォンアプリ《teamLab: FIRE》のアプリを持って作品の炎に近づくと、スマートフォンに炎がともり、作品を持ち帰ることができる。その持ち帰った炎を、他者のスマートフォンに近づけると、同じように炎がともる。炎を誰かにつなげ、その炎がまた他の誰かにつながっていくことで、炎は、世界中に広がっていく。広がっていく炎群全体は、炎地図に描かれていく。
燃焼する気体の流れによって、空間上に線を描き、線の立体的な集合で炎を描いている。その線の集合体を、チームラボが考える「超主観空間」により平面化し、炎を描いている。
人によって移ろい変わる
水面に浮遊する光
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大池エリアの水面に浮かぶランプは、それぞれ自律し浮遊している。ランプは、人が近くで立ち止まったり風に吹かれて傾くと、強く輝き音色を響かせる。ランプの光は隣のランプに次々伝播し、音色を響かせながら連続していく。その光は、すべてのランプを一度だけ強く輝かせる。そして、輝きによって同じ空間にいるほかの人間の存在も感じられる。風が吹かず人間が近くにいないときは、ランプはゆっくりと明滅をはじめる。
※ランプシェードは、ムラーノ・ガラス(ベネチアン・グラス)で制作
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昼の植物園では味わえない空間を、自然と一体になって体感してみてはいかがだろうか。
チームラボ ボタニカルガーデン 大阪
開業日|2022年7月29日(金)
住所|大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23 長居植物園
開園時間|チームラボ ボタニカルガーデン 大阪は、19:30〜22:00(最終入場21:00)
問|チームラボ
https://www.teamlab.art/jp/e/botanicalgarden/