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「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」
日本橋に現れた分身ロボットOriHimeの近未来なおもてなし

2021.7.7
「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」<br><small>日本橋に現れた分身ロボットOriHimeの近未来なおもてなし</small>

分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)の開発・提供を手掛ける株式会社オリィ研究所は、難病や重度障害で外出困難な方が分身ロボットを操作して接客を行う「分身ロボットカフェDAWN ver.β(ドーン バージョンベータ)」常設実験店を日本橋ライフサイエンスビルディング3の1Fにオープンした。

カフェ店舗はTAILORED CAFE(テイラード カフェ)を運営するカンカクとの共同運営となり、完全キャッシュレス決済も導入。カフェは3つのエリア、Aエリア【OriHime Diner(オリヒメ・ダイナー)】 Bエリア【 BAR & Tele-Barista(バー・アンド・テレバリスタ)】 Cエリア【CAFE Lounge(カフェラウンジ)】がありシーンに応じて使い分けができる。

「テレバリスタ」プロジェクトについて

オリィ研究所が開発・販売する分身ロボット「OriHime」と、川田テクノロジーズのグループ企業であるカワダロボティクスが開発・販売している協働ロボット「NEXTAGE」を組み合わせることで、遠隔地からでも、バリスタのような接客と手先を使った作業を可能にするプロジェクト。このプロジェクトで開発されたのが、「テレバリスタ OriHime×NEXTAGE」。

バリスタを務めるパイロットは、分身ロボット「OriHime」を通してお客様とコミュニケーションを行い、その日の気分や天候なども考慮して、お客様にあったコーヒー豆を選ぶ。実際にコーヒーを淹れるなどの手作業は「NEXTAGE」を通して行い、接客するといった、まさにバリスタのテレワークを実現するに至ったとのこと。

プロジェクトの経緯
「寝たきりになっても、誰かの為に特別な一杯を」

オリィ研究所は、2018年より「分身ロボットカフェ」を開催し、外出困難でもOriHimeを使っての接客業などへの就業を可能にしてきた。そうした中、OriHimeのパイロットの中に病気で思うように動けなくなった元バリスタの方の、「お客様のオーダーを取ってコーヒーをお届けするだけでなく、お客様の好みに合わせてコーヒーを淹れたい」「 体を動かすことができなくなったとしても、だれかに何かをしてあげられる。1杯のコーヒーを淹れておもてなしができる」 という思いを実現したいと開発を開始した。

そこで、オリィ研究所の理念に賛同して2019年より分身ロボットカフェのスポンサーとなっていた川田テクノロジーズが、自社のグループ企業が手がけるヒト型ロボット「NEXTAGE」の“人と一緒に働ける”というコンセプトが、オリィ研究所の構想と一致することから、共同開発を始めるに至った。

設備面のバリアフリー対応

店舗入り口のスロープは1/12以下の勾配に抑えられ、店内はフルフラットに設計されている。回遊導線・什器類は車椅子のお客様にも配慮し、ストレッチャータイプ・電動タイプを含む車椅子も入場可能。人工呼吸器などの医療機器や電動車椅子の充電用に電源貸し出しも実施する。(※介助者・ヘルパーの方も入場チケットが必要)また、併設のトイレは全個室ベビーキープ付きで、オストメイト・介助ベッド敷設のバイアフリートイレも設置されている。

店内各所に設置される10種類の椅子には車椅子も含まれ、席を選ぶ際に車椅子に座ることも可能。当事者でなければなかなか実物に触れる機会の少ない車椅子にもカジュアルに座れることで、特別なものではなく親しんで体験して欲しいという意図が込められている。

食事支援面での対応

嚥下障害などで食事支援が必要な方の対応として、ミキサー・チョッパー・シリコンスプーンなどの調理器具の貸し出しを実施。併せてドリンクメニューの中に嚥下対応ドリンクをラインナップし、とろみ調整剤の提供も行うことで、同行者と一緒に食事を楽しめるよう配慮している。(※器具類の利用については要事前予約)

設備面のバリアフリー監修は「車いすでもあきらめない世界」を目指し、みんなで作るバリアフリーマップを展開する一般社団法人WheeLog(ウィーログ)が担当。食事支援についての監修は、NPO法人D-SHIPS32(ディーシップスミニ)が運営する、食事支援(嚥下調整食)が必要な子どもの親のコミュニティ「スナック都ろ美(スナックトロミ)」が機材選定・スタッフ研修などを担っている。

Aエリア
OriHime Diner(オリヒメ・ダイナー)

このエリアでは、遠隔で働くOriHimeパイロットと話をしながらダイナーをイメージしたオリジナルフードやTAILORED CAFEプロデュースによるスイーツやドリンクを楽しめるフルサービスの席。

食事と一緒に提供されるのは、互いの特徴を個性として引き立て合う当店のコンセプトに合わせ、TAILORED CAFEが特別にブレンドしたコーヒー。華やかな甘みを感じられ、個性的ながらどなたでも飲みやすい味を目指した。カフェで使用されるコーヒー豆すべて、TAILORED CAFEの監修。

Aエリア予約について
前日の17時までに、下記専用ページにて要予約
https://coubic.com/orylab/booking_pages#pageContent

Bエリア
BAR & Tele-Barista(バー・アンド・テレバリスタ)

このエリアの特徴は、バリスタのOriHimeパイロットが「テレバリスタOriHime × NEXTAGE」を遠隔操作し、コーヒー豆本来の味わいが楽しめるフレンチプレスで淹れたコーヒーを提供する席。

パイロットは、お客様との会話を進めながら好みなどを聞き、その日の気分や天候なども考慮して用意された4種類のコーヒー(Guatemala El Injerto/Ethiopia Yirgacheffe Konga/Kenya Masai AA/Ethiopia Selam Natural)の中から最適なものを選ぶ。「テレバリスタOriHime × NEXTAGE」は、挽いてあるコーヒー豆をコーヒー抽出器に入れ、お湯を注いで数分間抽出する。抽出が終わったらコーヒーをカップに注ぎ、注目のチョコレートMinimal – Bean to Bar Chocolate – (ミニマル)の4種類(NUTTY/FRUITY/SAVORY/HIGH CACAO)の中からペアリングして選んだものを添えて提供する。

※「テレバリスタ OriHime×NEXTAGE」による、アルコールの提供はない。

Bエリア予約について
前日の17時まで専用ページにて要予約。
https://coubic.com/orylab/booking_pages#pageContent

Cエリア
CAFE Lounge(カフェラウンジ)

完全キャッシュレスのパーソナライズドカフェ「TAILORED CAFE」のスペシャルティコーヒーやホットサンドなどの軽食を楽しめる、気軽に日常使いができる席。
※予約は不要。
※TAILORED CAFE専用のオーダーアプリ「COFFEE App」も利用可能。
※CエリアからAエリア・Bエリアの様子を見ることも可能(エリア内への立ち入りは不可)

身障者と健常者の区別なく、出会い、語り合い、楽しめる「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」。ソーシャルディスタンスが必要な時代に、外に行ける人も移動制約を受ける人も、同じ瞬間を共に過ごし思い出をつくる事ができる新感覚のカフェをぜひ体感してみてはいかが。

分身ロボットカフェ DAWN ver.β
住所|東京都中央区日本橋本町3丁目8-3日本橋ライフサイエンスビルディング3 1F
営業時間|10:00〜19:00
※OriHimeが接客する席の営業時間は、店舗全体の営業時間と異なる場合があり。
定休日|不定休(メンテナンスによる休業の場合は公式サイトなどで告知)
アクセス|東京メトロ日比谷線 小伝馬町駅 徒歩4分、JR総武線 新日本橋駅 5番出口すぐ、東京メトロ銀座線 三越前駅 徒歩7分、JR山手線 神田駅 徒歩10分
席数|約70席
https://dawn2021.orylab.com/


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