タイムスリップ気分を味わえる
レトロな銭湯4選
|続々と進化を遂げる東京銭湯④
現代の日本において、銭湯はインフラとしての役割から、地域に根ざした交流拠点へと存在意義を変えつつある。
今回は東京の銭湯の撮影をライフワークとする写真家・今田耕太郎さんに、宮造建築でタイムスリップ気分を味わえるクラシック銭湯4つを挙げてもらった。
01|東京・上野《燕湯》
朝湯が楽しい有形文化財
1950年に建てられた建築は、東京の銭湯ではじめて国の登録有形文化財に登録されたもの。「かつて秋葉原にあった青果市場で働く人々や、上野駅の利用者が早朝に利用していた歴史があり、朝6時から営業する銭湯として知られています」(今田さん)。現在も3代目女将・橋爪雅栄さんと長男が夜明け前から仕込みを続け、江戸っ子好みのあつ湯を提供している。
住所|東京都台東区上野3-14-5
Tel|03-3831-7305
料金|大人520円、小学生200円、未就学児100円
営業時間|6:00〜20:00
定休日|月・火曜
<銭湯Data>
風呂の種類|あつ湯、薬湯
備品|貸しバスタオル60円、貸しフェイスタオル30円、ドライヤー3分20円
※シャンプー、コンディショナー、ボディソープは備え付け
02|東京・南雪谷《明神湯》
ロケ地として銭湯文化を未来に伝える
威風堂々とした宮造建築を、1957年の創業時からほぼそのまま残す。「若い頃から銭湯に携わってきたご主人の大島昇さんは、手先が器用で、職人さんと一緒に仕事をしているうちに技術を会得し、自ら修繕もされてきたそうです」(今田さん)。天井の高い折上格天井、富士山のペンキ絵など趣深い空間は、映画やドラマなどの撮影にもよく使われている。
住所|東京都大田区南雪谷5-14-7
Tel|03-3729-2526
料金|大人520円、中学生420円、小学生200円、未就学児100円
営業時間|16:00〜22:00
定休日|5・15・25日(日曜、祝日の場合は翌日休)
※月1回連休あり
<銭湯Data>
風呂の種類|中温湯、薬湯
備品|手ぶらセット(フェイスタオル、シャンプー、リンス、ボディソープ)140円、お釜ドライヤー3分20円など
03|東京・東日暮里《帝国湯》
復活を遂げた名建築と庭園
創業は1916年。営業を続けてきたが、2022年に前女将・甚五君枝さんが亡くなり休業。存続が危ぶまれていたが、甥の與司直さんが6代目を継承し、前番頭の長女・石田綾子さんも新番頭となり、2023年4月に復活を遂げた。「1952年竣工の宮造建築が特徴で、東京銭湯の横綱的存在。折上格天井や庭園など、細部まで工夫が施されています」(今田さん)
住所|東京都荒川区東日暮里3-22-3
Tel|03-3891-4637
料金|大人520円、小学生200円
営業時間|15:00〜22:00
定休日|月曜
<銭湯Data>
風呂の種類|あつ湯、中温湯、薬湯
備品|ドライヤー3分20円
※貸しフェイスタオル無料。シャンプー、ボディソープは備え付け
04|東京・石神井台《たつの湯》
薪で沸かす鉄骨×宮造銭湯
1964年に創業。初代主人・龍五郎にちなんで名づけられた「たつの湯」。宮造建築は一見木造に見えるが、躯体に鉄骨が使われた先見性ある建物。3代目・本橋正季さんは、地下天然水を手間暇かけて薪で沸かすことにこだわる。「災害時にも、蓄えた薪でお風呂を提供できるように、との想いから。脱衣場で販売される自家栽培野菜も新鮮で人気です」(今田さん)
住所|東京都練馬区石神井台6-19-26
Tel|03-3922-0753
料金|大人500円、未就学児200円
営業時間|14:00〜22:00(土・日曜は13:00〜)
定休日|月曜
<銭湯Data>
風呂の種類|あつ湯(土・日曜は薬湯)
備品|お風呂セット(フェイスタオル、石鹸、シャンプー、カミソリ、歯ブラシ)300円、シャンプー40円、ボディソープ40円、ドライヤー3分30円(男性無料)など
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00|銭湯はいま、地域に根ざした交流拠点へ
01|地域コミュニティを盛り上げるおしゃれ銭湯3選
02|ユニークなデザインで楽しむ銭湯4選
03|歴史をそのままにアップデートした進化系銭湯4選
04|タイムスリップ気分を味わえるレトロな銭湯4選
text: Miyo Yoshinaga photo: Kotaro Imada
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