片栗粉で超瞬発的なエネルギーチャージ！
非常時に役立つ日本の食の知恵 第4回

Discover Japan vol.103の特集『日本人は何を食べてきたの？』にも登場していただいている、薬学博士で管理栄養士でもある食品学者・松本栄文さんに、非常時に知っておきたい「日本の食の知恵」の生かし方を教えていただきます！「緊急事態宣言」が発せられたいまの機会に知っておくと、きっと役立つはずです。

【片栗粉（体温上昇編）】

古くから風邪の引き始めには「葛湯」がすすめられてきました。葛湯をつくる葛粉は葛の根から生成させるデンプン質ですが、高価なものなので「片栗粉」で代用できます。

片栗粉をつかった葛湯のつくり方は簡単！小鍋に水300ml、片栗粉大さじ2、上白糖小さじ2を加えよく混ぜ、中火で練るようにして加熱します（電子レンジでも可）。お好みでショウガの搾り汁や柚子、梅干を加えると、より体温を上げやすく発汗作用が高まります。また、リンゴジュースで片栗粉を溶くのもおすすめ。あればシナモンスティックを添えても美味しいです。

ご飯よりも、そうめんよりも瞬発的なエネルギー源なので、飲んでいるそばから体温がぐんぐん上昇します。これは先にも紹介している通り、粒食、粉食よりデンプン粒子がむき出しの状態なので消化吸収がとてもはやいからなのです。代謝が上がることで血行が促進され、内臓機能や細胞活動が活発化し、免疫力が高まり、ウイルスの体内増殖を抑制する働きが期待できます。さらに整腸作用も高い。スープなどに加えても満腹感を得ることができます。

ただし急激な血糖値上昇でもあるため、常に食べるのはおすすめしません。身体が冷えているときや疲れているときに。栄養ドリンクのようなものと考えてください

《緊急企画！長期の非常時に役立つ日本の食の知恵》
01｜はじめに
02｜お米
03｜そうめん
04｜片栗粉
05｜梅干
06｜味噌
07｜黒糖
08｜豆苗
09｜クレソン
10｜煮干
11｜乾物スルメイカ
12｜ドライマンゴー
13｜柚子胡椒