FOOD

お米で体温を上げる!
非常時に役立つ日本の食の知恵 第2回

2020.4.9
お米で体温を上げる!<br>非常時に役立つ日本の食の知恵 第2回

Discover Japan vol.103の特集『日本人は何を食べてきたの?』にも登場していただいている、薬学博士で管理栄養士でもある食品学者・松本栄文さんに、非常時に知っておきたい「日本の食の知恵」の生かし方を教えていただきます!「緊急事態宣言」が発せられたいまの機会に知っておくと、きっと役立つはずです。

【お米(体温上昇編)】

非常時こそ、まず「お米」。炭水化物をしっかり食べ、体温を上げることで免疫が高まります。

お米は稲作伝来から食べられるようになり、日本人のDNAに刻み込まれてきた食材でもあります。江戸時代には1日5合お米を食べていたという記録もあります。
保存性も高く、調理方法も手軽で、炊くことでエネルギー代謝率の高い「ご飯」になります。お米はデンプン質で構成され、食べることで唾液に含むデンプン分解酵素アミラーゼにより糖質へと変化します。この糖質が体内吸収され、血中を通じて体内隅々の細胞へ運ばれることによって、細胞内で糖代謝(ATP回路)がおこり体温が上昇するという仕組みです。

ご飯は一度小麦を粉にしてからつくられる麺類と異なり、粒のまま食べるので消化吸収に4~6時間がかかる。そのため血糖値上昇がおだやかで、持続性の高いエネルギー源となるのです。まさに「腹持ちがいい」食材。日本人の粘り強さはご飯から来ているのかも?
万が一ライフラインが遮断された場合、炊飯器は使えません、そのためカセットコンロと土鍋でのご飯の炊き方を覚えておきましょう。「吹きこぼれるまで強火、中10分弱火、最後に強火で水気を飛ばし、全体を混ぜて約10分蒸らす」。とても簡単です!

松本 栄文(まつもと さかふみ)
一般社団法人日本食文化会議理事長。花冠「陽明庵」主人。「日本文化を愛でる会」を主宰し、日本の伝承・伝統の普及に努める。著書『日本料理と天皇』では、グルマン世界料理本大賞2015で「殿堂」、「創設最高賞」をW受賞。

 

第3回は、瞬発的に動けるエネルギー補給
そうめん編です!

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《緊急企画!長期の非常時に役立つ日本の食の知恵》
01|はじめに
02|お米
03|そうめん
04|片栗粉
05|梅干
06|味噌
07|黒糖
08|豆苗
09|クレソン
10|煮干
11|乾物スルメイカ
12|ドライマンゴー
13|柚子胡椒


 

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