FOOD

ドライマンゴーで呼吸機能アップ!?
非常時に役立つ日本の食の知恵 第12回

2020.4.14
ドライマンゴーで呼吸機能アップ!?<br>非常時に役立つ日本の食の知恵 第12回

Discover Japan vol.103の特集『日本人は何を食べてきたの?』にも登場していただいている、薬学博士で管理栄養士でもある食品学者・松本栄文さんに、非常時に知っておきたい「日本の食の知恵」の生かし方を教えていただきます!「緊急事態宣言」が発せられたいまの機会に知っておくと、きっと役立つはずです。

【ドライマンゴー(血流促進・呼吸器編)】

太陽の申し子は非常時でも強い。太陽エネルギーを貪欲までにも吸収し、高濃度の栄養価をもつウルシ科の「マンゴー」の果実。

栽培の歴史は古く、約4000年前にはすでにインド周辺で始まっていたといい、宗教と深い関係があります。仏教ではマンゴーを「聖なる樹木」し、ヒンドゥー教では宇宙万物の創造神「プラジャーパティ」の化身とされ、崇められてきました。こうした神聖なるマンゴーの果実は、いまや世界中を魅了する味わいですが、マンゴーの素晴らしさは非常時にこそ発揮されるものです。

マンゴーはニンジン、カボチャ、パプリカなどの緑黄色野菜に続く高い栄養価があるもので、特にβカロテンやビタミンA、ビタミンEを豊富に含みます。これらの栄養素は運動不足の非常時には、特に血流促進に働き、粘膜、皮膚、髪の毛の健康維持や呼吸機能を高め風邪予防にも有効的な存在となります。また、ドライマンゴーに加工されることで保存性が高まり、約60gでご飯一杯分に相当するカロリーを得ることが出来ます。平常時では懸念されがちな高カロリー値ですが、非常時の場合は、保存性が高く、コンパクトで高カロリー、そしてビタミン類や食物繊維が高濃度で摂取できることが大切なのです。

松本 栄文(まつもと さかふみ)
一般社団法人日本食文化会議理事長。花冠「陽明庵」主人。「日本文化を愛でる会」を主宰し、日本の伝承・伝統の普及に努める。著書『日本料理と天皇』では、グルマン世界料理本大賞2015で「殿堂」、「創設最高賞」をW受賞。

 

第13回は、柚子胡椒で
むくみや冷え性を改善編

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《緊急企画!長期の非常時に役立つ日本の食の知恵》
01|はじめに
02|お米
03|そうめん
04|片栗粉
05|梅干
06|味噌
07|黒糖
08|豆苗
09|クレソン
10|煮干
11|乾物スルメイカ
12|ドライマンゴー
13|柚子胡椒


 

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