場所も時間もつくり手も選ばない
変幻自在の木材ユニット《つな木》の魅力|後編
ニーズや好みによって、そのかたちやサイズを変えられる、木を使った便利な道具「つな木」。どのような商品で、なぜ開発されたのだろうか。開発者の大庭拓也さんに話を聞いた。今回は、姿を変えて活躍する「つな木」の6つの事例を紹介します。
姿を変えて活躍する「つな木」
01|いつもと違った働く場所に
東京都の日建設計ビル前の空き地、閑静なオフィス街に、賑わいと交流の場が生まれた。ポップアップショップや簡易ワークプレイスとして活用できる。
02|地域の遊休地をつなぐ場に
北海道帯広市のポロシリ自然公園内の遊休地に、地方創生や森林資源の循環を目的とした「テント以上建築未満」の木質ドームを実験的に制作した。
03|子どもが木に触れる機会に
千葉県にある昭和学院小学校の「木育ワークショップ」で、子どもたちが自ら「つな木」作品を完成させ、SDGsを身近に体験できた。
04|動物から環境を守るために
奈良女子大学と協働し、鹿の食害から幼木を守り土壌改良も行う「子守木(こもりぎ)」を、奈良公園に設置。生長に合わせてサイズを変えられる。
05|緊急時に備える貯木場に
渋谷区立北谷公園内のカフェ施設では、貯木場として外装を計画。外装を外して「つな木」を用いることで、イベント時や災害時などにも活躍する。
06|場を演出する展示施設に
三井不動産と小誌が東京にある東京ミッドタウン日比谷で開催した「木と生きる」がテーマのシンポジウムの展示。地下1階の展示に使用された。
人や地域をつなぐ
「つな木つながるCLUB」発足予定!
「つな木」を使って住みやすく持続的な社会を目指し、ミーティング開催や情報交換などを行う、ゆるやかな集まり。「つな木」の開発・事業者メンバーと地域材品の販売協力店などが会員になる。2024年12月に発足予定。
1|目的
「つな木」の活動を各地で盛り上げる
2|会員
「つな木」開発・事業者メンバーと地域材品の販売協力店(予定)
3|メリット
①会員が作成した「つな木」の作品図面を使用できる
②会員同士の交流の深まりから、新たな取り組みが生まれる
line
1 2 3
text: Yoshino Kokubo photo: Azusa Todoroki
Discover Japan 2024年9月号「木と暮らす」