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0.2mmの純銀線を紡いで生み出す工芸品、秋田銀線細工とは

2018.2.9 PR
0.2mmの純銀線を紡いで生み出す工芸品、秋田銀線細工とは

秋田といえば米やうどんなど食の名産品が多いイメージだが、秋田県秋田市で古くから受け継がれる、細い線状の純銀「銀線」を使った「秋田銀線細工」という県指定の伝統工芸品を知っているだろうか。

まずは下の画像をクリックして動画を見ていただきたい

この動画でつくられている、見れば見るほど繊細な工芸品の魅力を探るべく、今回はそのルーツや伝統技術をひも解いてみよう。

秋田県が銀の都!? 日本最大の銀産出量を誇る歴史があった

日本での銀線細工の歴史については諸説がたくさんあるが、平戸(長崎)の貿易港で行われていたヨーロッパ、東南アジアとの銀製品の取引から伝わってきたと考えられている。それから平戸藩の江戸屋敷が秋田藩へ近接したことによる親交があったといわれており、その秋田にある院内・阿仁の両鉱山で良質な金・銀が次々と産出されたことから、歴代藩主の保護奨励の下、銀を用いた武具やキセル、かんざしなどの装飾品をつくるようになったのである。

指先だけで1つの線を紡ぐという、技術的価値の高い職人技

銀線細工の基礎となる渦巻き状の形「平戸」。指先とピンセットでつくっていく緻密な作業だ

秋田銀線細工はすべて熟練の職人による手作業。この技術を習得するには10年かかるといわれ、技術的な価値が高いことから、秋田市指定無形文化財にも認定されている。わずか0.2㎜ほどの銀線を数本ずつ寄り合わせ、平たくなるように潰し、波状の形成にしていく。その銀線を使ってまずはじめるのが「平戸(ひらと)」と呼ばれる土台づくり。それから作品の枠となる太い銀線をガスバーナーで熱し、丁寧に加工していく。できた枠に平戸をはめ込んでいき、ようやく模様ができあがっていくのである。この工程を重ねてできた作品は白い輝きを放ち、現在ではブローチやペンダントなどのアクセサリーとして世に生み出されている。

品格を感じるなめらかな曲線を生かした造形美

銀線だからこそ生み出せる繊細さは、可憐な花や蝶などを表現するのにふさわしいといっても過言ではない。鋳物や銀メッキ品にはない輝きや風合いが最大の特徴なのである。
そんな秋田銀線細工は、各販売店舗や工房のほか、収蔵品として展示している秋田県立博物館をはじめとする各施設で実際に目にすることができる。説明だけでは伝わりにくい、伝統職人による手仕事の素晴らしさをぜひ体感しに訪れてみてはいかがだろうか。

秋田銀線細工取扱店

(株)竹谷本店
住所:秋田県秋田市中通2-4-3
Tel:018-835-1331
http://takeyahonten.sakura.ne.jp/5114.html

秋田銀線細工 金銀線工房しんどう
住所:秋田県秋田市桜4-3-12
Tel:018-834-7918
http://akita-craft.org/shindo.html

銀線細工すとう
住所:秋田県横手市赤坂富ヶ沢62-46
Tel:0182-33-8845
www.akitafurusatomura.co.jp/pages/page/taiken_silver

房工房
住所:秋田県横手市十文字町海道下68-31
Tel:090-4316-9433
www.instagram.com/fusawo.sato/

秋田空港ターミナルビル
住所:秋田県秋田市雄和椿川字山籠49
Tel:018-886-3366
www.akita-airport.com/

あきた県産品プラザ
住所:秋田県秋田市中通2-3-8
Tel:018-836-7830
www.a-bussan.jp/

秋田銀線細工の収蔵施設

赤れんが郷土館
住所:秋田県秋田市大町3-3-21
Tel:018-864-6851
http://www.city.akita.akita.jp/city/ed/ak/

秋田県立博物館
住所:秋田市金足鳰崎字後山52
Tel:018-873-4121
https://www.akihaku.jp/

秋田ふるさと村
住所:秋田県横手市赤坂富ヶ沢62-46
Tel:0182-33-8800
www.akitafurusatomura.co.jp/


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