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醸造家・岡住修兵の最新酒「稲とアガベprototype04」発売。
世界へはばたくための布石は万全!

2021.6.17
醸造家・岡住修兵の最新酒「稲とアガベprototype04」発売。<br> 世界へはばたくための布石は万全!

ふくよかでコクのある「旨い」と、すっきりとしたキレイな味わいの「美味い」。その間を一生研究し続けると「prototype03」の発売時に語ってくれた稲とアガベ代表の岡住修兵氏 。彼の探求心により、さらなる進化をとげた日本酒がこの度発売される。

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「個人的には過去一番美味しい」

6月初旬、自社田での田植えの様子。石山農産で学んだ自然栽培の米作り

岡住氏の強い自信がみなぎる発言だ。
過去3本の「プロトタイプ」を世に送り出し、それぞれが同じ人間がつくったとは思えないほどの幅の広さと奥行きの深さだった。

使用している米はすべて秋田県大潟村の自然栽培のササニシキ(飯米)。自然栽培の米の力を信じ、精米歩合は90%だ。酒造りにおいて雑味となるタンパク質を減らすために米は削られる。削られた米は残念ながら廃棄されることもあり、そんな状況に岡住氏は疑問を抱いていた。そこで、自然栽培の米の成分であれば削らなくても造りを工夫してキレイな味が出せるのではと、精米歩合90%にこだわり続ける。

酵母無添加で清冽な味をつきつけられた第1弾。6号酵母を添加し、ふくよかな味わいを醸し出した「旨い」によった第2弾 。実は出したい味ではなかったと、まったく同じ原料と6号酵母で第2弾のリベンジをはかった第3弾は旨いとは逆、吟醸の「美味さ」、キレイさを打ち出した。当初から掲げている「田んぼで造る吟醸酒」を見事に表現した銘酒だった。

そして第4弾。第1弾同様の酵母無添加だが、前回よりも発酵温度を高くしたという。温度が高いとよく溶けるため味が多くなる。その場合、通常だとバランスが悪くなるところを、引き算の麹造りをすることで第1弾とはまったく違う味わいを引き出した。

「いわゆる吟醸酒と違い、さまざまなフレーバーを感じることができます。好みは分かれるかもしれませんが、自然栽培のお米のポテンシャルをいま考えられる技術で、最大限に生かすことができました。酒の歴史に切り込める酒です!」

田んぼで頑張ったことをそのまま酒にした。ワイン醸造の哲学にも近いかもしれないと岡住氏は言う。

そしてもうひとつ、特筆すべきは「常温保存」であるということ。温度変化も美味しさのカギになる真夏もこわくない酒だ。

「発酵温度を高くしてできた酒は複雑な味わい。熟成することでよりまろやかな口あたりになるので、いろいろ試してほしいですね」

今年9月にオープンする秋田県・男鹿市の旧男鹿駅舎を改装してできる岡住氏の酒蔵ではまず、輸出向けの清酒製造からはじまる。(以前の記事でも紹介したが、清酒の需給調整のため、新規での国内向け清酒製造免許取得は、まず認められていない。よって、岡住氏の日本酒は現在に至るまで、群馬・土田酒造への委託醸造だ)

「日本ほどしっかりしたコールドチェーンで配送されることない中での世界流通を考えた際に、目指すべきは常温流通で美味しい酒、美味しくなる酒なんじゃないかと考えています」

さらに、冷蔵のために有限なエネルギーを無駄にしたくない、という想いも。

生酛、低精白の自然栽培米は、日本酒が世界に打って出るために必要なコンセプト。その酒で秋田を世界的に知られる日本酒の聖地にしたいと岡住氏は考える。酒を通して世界へ「OGA(男鹿)」を発信する。prototype04の完成は、岡住氏の今後の事業展開にも大きく貢献することとなるはずだ。

酒蔵新設のために旧男鹿駅舎を改装中。順調に工事が進めば9月オープン予定
土田酒造にて。右から岡住氏、杜氏・星野元希氏、土田酒造代表・土田祐士氏

さて、プロトタイプは今回で終了するが、土田酒造への委託醸造は今後も続けていくという。

「酵母添加、酵母無添加の稲とアガベの日本酒は、土田さんと造り続けます! 楽しみにしていてください」

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※お酒は二十歳になってから。未成年者への酒類の販売は固くお断りします。

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text=Discover Japan


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