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《きしもと食堂 本店》
沖縄そばの歴史と歩んできた明治創業の老舗【定番系】
|定番系 or アレンジ系!?沖縄そばカタログ②

2024.8.4
《きしもと食堂 本店》<br><small>沖縄そばの歴史と歩んできた明治創業の老舗【定番系】<br>|定番系 or アレンジ系!?沖縄そばカタログ②</small>

沖縄独自の麺を使用した沖縄そば。伝統の味が魅力の老舗から、アレンジを加えた新店舗まで、沖縄そば発信家のさんぺいさんがご案内します。
 
今回は、定番系の筆頭に挙げられる明治創業の老舗「きしもと食堂 本店」を紹介。

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【定番系】きしもと食堂 本店

そば(大)/930円
三枚肉にかまぼこ、ネギがのったシンプルな沖縄そばは、これぞクラシックと言いたくなるような一杯。貴重な木灰麺に、厚みのある三枚肉、鰹出汁を利かせたスープが特徴

創業は1905年、現存する最古の沖縄そば店「きしもと食堂」。明治期に盛んになった沖縄そばは、戦前まで人気店が多く存在したが、大戦でほとんどが失われてしまった悲しい過去をもつ。1世紀以上続く老舗は極めて貴重だ。

いまでは扱う店が少ない木灰麺。中太の麺は、もっちりとしていながら独特のコシがある。ゆで置きされた麺はサッと湯がかれ、すぐに提供される

特に、木灰を用いて手打ちで麺づくりを行っている点が特徴。沖縄そばは、製麺所の麺が一般的になる以前の50年代頃までは手打ちでつくられ、かん水ではなく、木灰汁による麺づくりを行っていた。いまではこうした製法を行う店は極めて少ない。

スープは、鰹節をベースに豚骨や三枚肉の煮汁を加えた出汁。しっかりめの味つけで、後から鰹出汁の美味しさが、じわーっと広がってくる

木灰汁を用いることにより、独特の風味とコシを生み、ここでしか味わえない麺に。スープは、鰹をベースに豚骨や三枚肉の煮汁を加えた出汁で、シンプルな構成ながら奥深く豊かな味わい。店そのものが沖縄そばの歴史といっていい名店だ。

<さんぺいPOINT!>

炊き込みご飯じゅーしー。沖縄そばの出汁と、三枚肉の煮汁を用いてつくる。よく味の染みたじゅーしーは、行ったら必ずそばと一緒に食べたい絶品

昔ながらの素材、製法で沖縄そばづくりを行う、まさにレジェンド。

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【アレンジ系】
OKINAWA SOBA EIBUN
 
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沖縄の昔ながらの建物で営まれている店。歴史が刻まれた趣のある店内。小さな店はすぐに満席になる

きしもと食堂 本店
住所|沖縄県国頭郡本部町渡久地5
Tel|0980-47-2887
営業時間|11:00〜17:00(売切次第終了)
定休日|水曜

Text: Sanpei photo: Wataru Oshiro
Discover Japan 2024年7月号「沖縄」

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