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パーチェの料理は、能登半島のつくり手と生み出される【前編】
villa della pace/石川県・七尾市

2021.5.12
パーチェの料理は、能登半島のつくり手と生み出される【前編】<br><small>villa della pace/石川県・七尾市<small>

能登半島七尾市に位置するオーベルジュ「villa della pace(ヴィラ・デラ・パーチェ)」。オーナーシェフ平田明珠(ひらた・めいじゅ)さんの料理の奥には生産者、漁師、うつわ作家がどっしりと構えている。一人では生み出せない、能登の味を支える人たちを前後編記事でご紹介。

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志を同じくする生産者たちの声

パーチェの料理に使用されている食材、うつわやカトラリーは平田さんが実際に出会い、関係を築いた人の手から生み出されているものばかりだ。ここで、平田さんについての生産者の声を聴いてみよう。

「明珠君は、この時期だとさまざまな野菜の菜の花を使ってくれます。野菜の成育に応じてすべてを食材として使ってくれるので本当にうれしいです」とはNOTO 高農園さん。

定置網漁の網元・中田洋助さんは「僕らが捕る魚を美味しく調理してくれて、素材の価値を高めてくれることに感謝しています」と話す。

宮本水産の宮本さんとは都内のレストランで働いていたときからのつき合い。「僕たちでは思いつかない牡蠣の食べ方をいろいろ教えてほしいです。もし店が失敗してもここで働けばいいよって伝えています(笑)」

ガラス作家の有永浩太さんとは知人を介して知り合い、はじめて見たうつわにひと目惚れ。「ガラスに時間を織り込むようなイメージでつくりました。一点物だったので複数欲しいと言われて驚きました(笑)」。うつわから料理を想像する平田さん。こればかりは逆アプローチだったという。

「能登の赤土っぽいね」と陶芸家の松本かおるさんから提案されて、コース料理の「畑」に採用したのが陶胎漆器。最初に松本さんを訪ねたとき、能登の山を望む工房と、人柄がにじみ出る作品に魅せられた。「平田さんはうつわそのものを大切に思ってくれて、生かしてくれていると感じます」

陶芸家の藤井博文さんは、なんでも挑戦したい、おもしろいことをやりたいと平田さんの相談に乗ってくれる頼れる存在。実際にフルオーダーでうつわを依頼した。「面倒なことを頼んでくるんだよ(笑)」とやさしくほほ笑む。

「平田くんの料理を食べると、風景が見えるよね。見た目と味だけではなくて。能登の暮らしにある、藁の香りの記憶をよみがえらせてくれたりもする」とは塗師の赤木さん。赤木さんがふらりとパーチェに来店したのがきっかけでつき合いがはじまり、その後一緒にキノコを採りに山へ入ったりも。

「能登の自然の一部となり、その中で自分のすべきことを追求している素晴らしい人たちばかりです」

平田さんは、能登を表現する、志を同じくする生産者たちにも恵まれている。

料理人を思う安心安全の野菜
NOTO 高農園/高 利充さん・博子さん

能登の赤土で300種以上の伝統野菜や西洋野菜を自然農法でつくっている高農園。赤土はミネラルが豊富で粘り気が強く、時間をかけて野菜がじっくり育つので味も凝縮されるという。料理人が希望するサイズにも応えてくれる。

NOTO 高農園
https://taka-farm.com

漁業を通して能登の食文化を守る
日の出大敷/中田洋助さん

能登町で定置網漁を営む日の出大敷、5代目網元の中田さん。レストランへの直販や能登の漁場でいち早く活〆を取り入れるなど、常に新しいことに挑戦。環境に配慮して漁獲量を調整したり、小中学校での食育の授業にも積極的に参加。

日の出大敷
http://hinodeoshiki.com

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villa della pace
住所|石川県七尾市中島町塩津乙は部26-1
Tel|0767-88-9017
営業時間|ランチ12:00〜、ディナー18:00〜(L.O.19:00)
定休日|水・木曜
料金|コースのみ1万3200円(サ別)
宿泊料金|1泊2食付3万5000円(サ込)
IN|16:00〜18:00 OUT|10:00
テーブル数|2
アクセス|車/のと里山海道徳田大津ICから約7分、電車/のと鉄道笠師保駅から徒歩15分
http://villadellapace-nanao.com

text: Discover Japan photo: Yayoi Arimoto
Discover Japan 2021年5月号「美味しいニッポントラベル」


《villa della pace/石川県・七尾市》
1|能登半島の風景と一体化する料理【前編】
2|能登半島の風景と一体化する料理【後編】
3|パーチェの料理は能登半島のつくり手と生み出される【前編】
4|パーチェの料理は能登半島のつくり手と生み出される【後編】
5|1泊2日、能登の営みを感じる滞在を。
6|能登の里山里海を贅沢に独り占め、七尾湾を眺めながら何もしない時を過ごす。

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