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沖縄そば発信家・さんぺいが案内する
沖縄そばの最前線
|定番系 or アレンジ系!?沖縄そばカタログ①

2024.8.3
沖縄そば発信家・さんぺいが案内する<br>沖縄そばの最前線<br><small>|定番系 or アレンジ系!?沖縄そばカタログ①</small>

沖縄独自の麺を使用した沖縄そば。伝統の味が魅力の老舗から、アレンジを加えた新店舗まで、沖縄そば発信家のさんぺいさんがご案内します。
 
今回は、沖縄の気候や風土、歴史と深いかかわりをもつ沖縄そばの成り立ちや、最近のトレンドなどについて解説。

沖縄の気候や風土、歴史と深くかかわる沖縄そば

現存する最古の沖縄そば店「きしもと食堂本店」のそば(大/930円)は定番系の筆頭

沖縄そばは、沖縄の長い歴史で日本本土や中国と交流する中で生まれた固有の麺料理だ。
 
その誕生は琉球王国時代にさかのぼるといわれており、一般に食べられるようになったのは1900年代初頭。改良を重ねながら現在の沖縄そばが出来上がった。
 
沖縄そばの特徴は独自の麺と、鰹節、昆布、豚などから取った魚介系・動物系両方の出汁を合わせるところにあるが、その成立は沖縄の気候や風土、歴史と深くかかわっている。
 
沖縄の地理的な特徴として、多くの島から成り立っている点があり、沖縄本島以外にも37もの指定離島(有人)が存在する。そのため、沖縄そばもそれぞれの島で独自の発展を遂げてきた。たとえば「宮古そば」は細麺でストレート、あっさりとしたスープといった傾向があるのに対し、「八重山そば」は丸く比較的柔らかい麺で、具材には豚肉やかまぼこの細切りがのる。地域によって麺やスープ、具材に違いがあり、まさに多様。

連日行列の絶えない店「OKINAWA SOBA EIBUN」のアレンジ系メニュー、特製冷やしジュレダレぶっかけまぜそば(1100円)

最近の傾向としては、自家製麺、特に生麺を扱う店舗が増えており、よもぎなど地域食材を麺に練り込むなどの工夫が進んでいる。また、鶏出汁を使うなど、スープや具材にアレンジを加え、新しい味を生み出す動きも広がっている。
 
沖縄そばを知ることは、まさに沖縄の地域性や文化、歴史を理解することにつながっているのだ。

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【定番】
きしもと食堂 本店

 
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監修・文=さんぺい
那覇生まれの沖縄そば発信家。2012年に沖縄そばの食べ歩きをはじめ、ネットや各種メディアで、沖縄そばの魅力を広める活動を行っている。夢は、沖縄そば店の全制覇

《定番系 or アレンジ系!?沖縄そばカタログ》
01|沖縄そば発信家・さんぺいが案内する沖縄そばの最前線
02|きしもと食堂 本店【定番系】
03|OKINAWA SOBA EIBUN【アレンジ系】
04|首里そば 本店【定番系】
05|金月そば 読谷本店【アレンジ系】
06|一度は食べたい沖縄そば10選

Text: Sanpei photo: Wataru Oshiro, Tsunetaka Shimabukuro
Discover Japan 2024年7月号「沖縄」

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