《サトウキビ農家・宮崎雄志さん》の
アート感覚で遊ぶサトウキビ栽培
|沖縄名産・黒糖を世界の「KOKUTO」に!④
約400年もの歴史がある沖縄の黒糖づくり。その価値を再構築してものづくりをする、仕掛け人たちの熱い取り組みで、黒糖はいま「KOKUTO」として世界に大きく羽ばたこうとしている。
今回は、サトウキビの魅力を新しい視点でひも解いてブランディングするために2023年にサトウキビ農家に転身した宮崎雄志さんを訪ね、畑をクリエイティブな場として活用する宮崎さん独自の栽培方法に迫る。
TIMELESS CHOCOLATE創業時から、林さんとともにチョコレートづくりに携わり、サトウキビ農家として独立した宮崎雄志さん。
「放っておいてもサトウキビは育つと思われがちですが、手をかければそれだけよくなります。健康で新鮮なサトウキビから搾るジュースは、梨のようにフルーティで本当に美味しいんです」
現在のサトウキビ業界は、良質なサトウキビも生育の悪いものも、収穫した重さと糖度によって買い取り価格が決まる。丁寧に育てたサトウキビに付加価値がつかないことに疑問をもった宮崎さんは、約1300㎡の畑を農薬や化学肥料に頼らず、手間をかけながらも効率的な栽培方法を研究し、サトウキビ自体の価値を上げる方法を考え実践しているという。たとえば、サトウキビの花を県外の生花店やフラワーアーティストへ出荷したり、チョコレートの製造工程で廃棄するカカオハスクを根元にまき、カカオの香りがするサトウキビや黒糖ができないかと研究したり。また、植え付けや収穫をひとつのイベントととらえ、音楽とからめたフェスなども企画中だ。
「サトウキビや黒糖をきちんと価値のあるものにするために、継続していきたいと思います」
line
サトウキビと黒糖に見る、沖縄の未来
≫次の記事を読む
問い合わせ|Grrround
https://minamino.supersale.jp
01|黒糖を進化させる仕掛け人たちの挑戦
02|沖縄初のBean to Bar専門店《TIMELESS CHOCOLATE》
03|沖縄の老舗泡盛蔵《瑞穂酒造》が醸す島の個性を生かしたラム
04|《サトウキビ農家・宮崎雄志さん》のアート感覚で遊ぶサトウキビ栽培
05|黒糖を進化させる仕掛け人たちが語り合うサトウキビと黒糖に見る、沖縄の未来
text: Kiyomi Gon photo: Wataru Oshiro
取材協力=沖縄県黒砂糖協同組合、まるみつこうさく
Discover Japan 2024年7月号「沖縄」