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前橋でいったい何が起きている?
仕掛け人、JINS代表 田中仁さんにイノベーションシティ計画について伺いました!

2021.3.23
前橋でいったい何が起きている?<br>仕掛け人、JINS代表 田中仁さんにイノベーションシティ計画について伺いました!

「白井屋ホテル」と呼応する前橋のイノベーションは街中の中心部、前橋中央通り商店街で芽吹いていた!街づくりの仕掛けについて、ジンズホールディングス代表取締役CEO、田中仁さんにうかがいました。

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田中 仁(たなか・ひとし)
1963年、群馬県前橋市生まれ。ジンズホールディングス代表取締役CEO。’88年にジェイアイエヌ(現ジンズホールディングス)を設立し、2001年にアイウエアブランド「JINS」を開業。国内トップの年間販売数で、米国や中国などにも展開

「白井屋ホテル」を皮切りに前橋再生を目指す
田中仁さんの魅力的な街づくりとは。

──「白井屋ホテル」を手掛けることになった経緯を教えてください。

田中 企業家として地元に貢献したいと考えていて、2013年に起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード」、翌年に起業家を育成する「群馬イノベーションスクール」をはじめました。そこで前橋に入り込む機会が増え、あらためて見ると前橋はシャッター街の例として教科書に載るくらいひどい状況。その頃、同時期にオープンした「アーツ前橋」で出会った若者をはじめ、多くの方が抱えていた「歴史ある白井屋をなんとかしてほしい」という思いに心を動かされて手掛けることになりました。

──参考事例やコンセプトはあったのでしょうか?

田中 ないです。私の性分ですが「フォロワー」にはなりたくない。前橋の街も独自のイノベーティブな街づくりをしたほうがいいと提言してきたので、まず市とともに街のビジョンを策定しました。ミュンヘンのコンサルティングファーム「KMS TEAM」に依頼し、「Where good things grow」というビジョンができ、それを基に前橋出身の糸井重里さんにいただいた言葉が「めぶく。」です。人もアートも「めぶく。」という街のビジョンを具現化したのです。

──藤本さんにはどういったオーダーをされましたか?

田中 「おもしろいプロジェクトにしたい」と伝えただけです。その回答であの吹き抜け案が上がり、「それでいきましょう」と。

──一般的にホテルは部屋数を増やすのが定石ですが、真逆ですね。

田中 ただラグジュアリーなホテルにするのではなく、あのホテルだけで採算を取ることも考えていません。何より「前橋の再生」が目的ですから。JINSでつき合いのあったジャスパーやミケーレもその考えに共感してくれて、前橋まで来て感じたものを客室で表現してくれました。そういった世界的なクリエイターと群馬のアーティストの作品がともに「めぶく。」融合は意識的なものです。そして街のリビングとして開放した「ヘリテージタワー」のラウンジで暮らす人と外から来た人が交流することで、かつて三国街道の宿場町として栄えた頃のように人も「めぶく。」場所になる。このホテルは前橋のビジョンの象徴となる存在なんです。

──前橋カルチャーのルーツともシンクロしているんですね。

田中 そういった意味では、かつてシルク産業で栄えた前橋には工場がたくさんあったので、歴史的なコンテクストとしてれんがを取り入れています。それは、「GRASSA」や「つじ半」など新しく街中に誘致した店にも共通したキーエレメントとして。

──「グリーンタワー」のインパクトもすごいです。

田中 あの新設棟も現代的な開発が遅れた前橋だからこそできたものです。もともとJINSで取り組んでいる「シンク・ラボ」で人間には自然やグリーンが重要という気づきを得ていて、前橋が目指すコンセプト「Green & Relax」を具現化する丘をつくりました。

──現代の地方都市の街づくりで大事なことを教えてください。

田中 まず何よりその街ならではのビジョンが重要です。ビジョンがないところに戦略は生まれません。その上で意欲的なプレーヤーを育てること。日本の戦後やシリコンバレーを見ても、起業家が続々と出てきた時代や街には活力がありました。だから僕らのこの活動を見て、地元の若者が刺激を受けて、次世代に続く人が増えていってほしい。ただそれは一朝一夕で変わるものではないので、100年、200年先を見据えています。未来の前橋が起業家の聖地になれば、必ず街の活性化につながりますから。

商店街で巻き起こる、4つのイノベーション
1|新しい和菓子の楽しみ方を発信

和む菓子 なか又 前橋本店
2018年オープン。ふわふわ食感と自家製あんや旬のフルーツが融合した斬新などらやき「ふわふわ わぬき」は連日大行列でECでは数分で完売。

住所|群馬県前橋市千代田町2-7-21
Tel|027-896-9359
営業時間|11:00〜16:00
定休日|月曜日・火曜日(不定休)
https://www.nkmt.jp/

2|東京・日本橋から前橋初上陸の海鮮丼

日本橋海鮮丼 つじ半 前橋店
抜群の華やかさと「一杯で3度美味しい」豪華海鮮丼で名高い名店が、2020年に北関東初出店として前橋にオープン。平日でも行列をつくっている。

住所|群馬県前橋市千代田町2-7-20
Tel|027-289-5673
営業時間|11:00-15:00、17:00-20:00
定休日|月曜、第二火曜
https://www.instagram.com/tsujihan_maebashi/

3|街に開かれた前橋アートの拠点

アーツ前橋
2013年に開館した公立美術館。「創造的」、「共有」、「対話的」が活動コンセプト。現代美術を中心に年間7〜8の展覧会を開催する前橋アートの拠点。

住所|群馬県前橋市千代田町5-1-16
Tel|027-230-1144
営業時間|10:00~18:00(入場は閉館時間の30分前まで)
休館日|水曜日
https://www.artsmaebashi.jp/

4|ポートランド発、
ハンドクラフトパスタ店を誘致

建築:中井竜治建築設計事務所

GRASSA
前橋まちなか活性化プロジェクトに共感し、2018年に日本初上陸店としてオープン。産直野菜を多用したソースの独創的パスタにリピーターが急増中。

住所|群馬県前橋市千代田町2-7-21
Tel|027-289-2771
営業時間|Lunch 11:30-14:00、Dinner 18:00-21:00
定休日|月曜、その他火曜日に不定休あり
https://www.snoutinc.com/

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text: Ryosuke Fujitani photo: Kazuya Hayashi
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