《原美術館ARC》原美術館が群馬に移転し、漆黒の磯崎新建築で新生スタート
40余年の歴史を歩んできた東京・品川の原美術館と別館のハラ ミュージアム アークが統合され、2021年4月、伊香保温泉からも近い自然豊かな群馬県の地で「原美術館ARC(原美術館アーク)」として再スタートを切る。
豊かな自然の中に建つ「原美術館ARC」は、世界的建築家・磯崎新による設計で、漆黒の建物それ自体が美術作品と言える唯一無二の空間。書院造をモチーフとした特別展示室「觀海庵」では、国宝・重要文化財を含む東洋古美術からなる「原六郎コレクション」と現代美術の競演を楽しめる。東京から装いも新たに移設される作品など、新たな魅力が加わる「原美術館ARC」、アート、建築好きに新たな旅の目的地になることは間違いない。
建築について
原美術館ARCは、上毛三山のひとつに数えられる榛名山麓の高原に位置している。この緑豊かな敷地に作られた、黒い色調のシャープな木造建築を手掛けたのは、「建築界のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞を2019年に受賞し、世界的に活躍する建築家・磯崎新氏。ピラミッド型の屋根が印象的なギャラリーAと、その両翼にシンメトリーに配された ギャラリーB・Cは、トップライトからやわらかな自然光が降り注ぎ、現代美術作品の鑑賞に適した端正な空間。
一方、木、石、和紙、漆喰などを用い、内部のいたるところに名工の技が光る特別展示室「觀海庵」は、書院造をモチーフにした静謐な和風空間。磯崎新氏は原六郎コレクションの「三井寺旧日光院客殿障壁画」がかつて飾られていた滋賀県・三井寺(園城寺の旧日光院客殿の書院造に想を得て「觀海庵」を設計した。
屋外にはアンディ ウォーホルやジャン=ミシェル オトニエルをはじめ、内外の現代アーティストによる常設作品が点在している。また、原美術館ARCは環境に配慮し、太陽光発電も使用している。
建築家
磯崎 新(いそざき・あらた)
1931年大分県大分市生まれ。1954年東京大学工学部建築学科卒業。丹下健三都市建築設計研究所を経て、1963年磯崎新アトリエ設立。日本建築学会作品賞、RIBA(王立英国建築家協会)ゴールドメダル、2019年プリツカー賞ほか受賞多数。
開架式収蔵庫
開架式収蔵庫に保管している一部の原美術館コレクションは、学芸員や評論家、教育・研究機関に所属する方など主に美術の専門家を対象に、作品の鑑賞・調査が可能となっている。また、一般の方向けには随時、庫内のガイドツアーも敢行予定(どちらも予約制)。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在ガイドツアーは休止中。 再開についてはwebサイトをご覧ください。
カフェ ダール
大きな窓と高い天井が心地よいカフェダールは、群馬県産の新鮮な食材を活かした特製サンドウィッチやパスタなどの食事や、伊香保グリーン牧場オリジナルアイスクリームなど味わえる。週末には展覧会をイメージして作られた「イメージケーキ」も用意している。
ザ・ミュージアムショップ
ザ・ミュージアムショップは、展覧会カタログや関連書籍から、アーティストグッズ、デザイン小物やアクセサリーなど、現代美術を暮らしに取り入れ、楽しめる商品を取り揃えている。また日本の伝統技術を感じさせるモダンな商品や、群馬ゆかりの作家を紹介するなど、お土産やギフト、旅の話題を探すにもぴったりのショップ。
そのほか、原美術館ARC周辺には動物とのふれあいを楽しめる「伊香保グリーン牧場」、名門ゴルフコース「伊香保カントリークラブ」、古くから湯治場として知られる「伊香保温泉」、「水澤観音」の名で親しまれる「水澤寺」などのレジャーや観光スポットも。豊かな緑と広い空、アートとともにゆったりとした休日のひとときを過ごしてみてはいかがだろうか。
原美術館ARC(アーク)
住所|群⾺県渋川市⾦井2855-1
Tel|0279-24-6585
開館時間|9:30〜16:30(入館は 16:00まで)
休館日|木曜日(祝日と8月を除く)、展示替え期間、1月1日、冬季
入館料|一般 1100円、大高生 700円、小中生 500円、 70歳以上 550円
・原美術館メンバーシップ会員は無料、学期中の土曜日は群馬県内の小中学生の入館無料
・ぐーちょきパスポートをご提示の方、障がいのある方は特別料金規定あり
・団体についてはお問合せください
・伊香保グリーン牧場とのセット券(一般 1800円、大高生 1500円、中学生 1400円、小学生 800円)
※カフェ、ミュージアムショップのみご利用の場合も原美術館ARCへの入館料が必要。
https://www.haramuseum.or.jp