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北軽井沢「Tatehata House」
ミッドセンチュリー建築の一棟貸し宿で、文化人たちが愛した風景を満喫する

2022.2.27
<small>北軽井沢「Tatehata House」</small><br> ミッドセンチュリー建築の一棟貸し宿で、文化人たちが愛した風景を満喫する

澄みきった自然の中に身を置き、建築美やサウナ、露天風呂を愉しみながらゆるりと流れる時間に身をゆだねる……。群馬県・浅間山の麓に建つ「Tatehata House(タテハタハウス)」は、建築家が自邸として建てた建物を活用した貸切山荘。多くの文化人たちに愛された別荘地で体験する、心身がほぐれる特別な時間とは?

文化人のたちが愛した景色に思い馳せる

北軽井沢は、軽井沢よりも涼しく湿度が低く、夏もクーラーを使わずに過ごせる避暑地として知られている。その過ごしやすさから多くの別荘が建てられ、中でも「大学村」は古い歴史を持つ別荘地。1927年に法政大学学長が所有する土地を、学者や文人、芸術家らに分譲。自然をなるべくそのままに残し、フェンス設置や建物の色も制限。自然との調和を大切にしながら、サロン的な山荘文化を育んできた。現在でも谷川俊太郎氏や大江健三郎氏をはじめとした多くの文化人がここで別荘を持ち、創作活動を行っている。

「Tatehata House」もその大学村の中に建つ別荘のひとつ。

1968年に建築家・建畠嘉門氏が自邸として設計した、50平米のミニマルでコンパクトな山荘。建畠氏は小説家・大江健三郎氏や女優・岸田今日子氏、脚本家・倉本聰氏の富良野の家などの住宅を手掛け、多くの文化人から愛された建築家だ。当時『新建築』にも掲載され、半世紀もの間大切に扱われてきた。

1968年『新建築』に掲載された設計図と当時の様子

そんな建畠氏の自邸が2021年に新たな魅力を兼ね備えて「Tatehata House」として生まれ変わった。

「フィンランド、ただいま」

大きな窓が備わる寝室では、寝ながら森林浴を。木の葉の音や小鳥のさえずりに包まれ、朝日が差す寝室での目覚めは格別だ

「Tatehata House」は、北軽井沢の気候や北欧デザイン、フィンランド式サウナによって、北欧の森の中にいるような非日常空間を満喫して欲しい、という想いから、時を経て大切にされてきた優しい質感はそのままにリノベーション。「フィンランド、ただいま」そんな気持ちに錯覚してしまう別荘がコンセプトだ。

家具は、日本では販売されていないポルトガルのブランドや作家ものなど、こだわりの調度品が並ぶ。また離れのサウナコタには、1階に木曽ヒノキに包まれたフィンランド式サウナ、2階デッキには森を見渡すゆったりサイズのヒノキ露天風呂が備えられている。サウナ好きは、露天風呂を水風呂にして、自分好みの温度と水温にすれば、最高の“ととのい”を体験できる。

アプローチを歩くと離れのサウナコタが
木曽ヒノキに包まれたサウナ室。フィンランドから直輸入されたヒーターでセルフロウリュも楽しめる。窓の外には森林が広がる
水風呂にも暖かい風呂にもなる特注のヒノキ風呂。好みの温度に調節して森林の中で最高の寛ぎを
ミッドセンチュリー好きには堪らないキッチン。コンパクトながらも丁寧に暮らすための上質な調理器具が揃う
グリルをレンタルして本格的なBBQも

豊かな時間がアイデアを生む

photo=Hikaru Takezawa

木々の香り漂う澄んだ空気、普段はかき消されてしまう繊細な音が聞こえるほどの静寂、四季折々の風景、そして建築や家具。それらは癒しだけではなく、心地よい刺激も与えてくれる。集中できる環境で作業や執筆などの創作活動をすれば、新たなアイデアが生まれることだろう。合間にサウナや露天風呂で息抜きをすれば、最高のワーケーションとなりそうだ。

photo=Hikaru Takezawa

時を経た建築の魅力と居心地のよさを兼ね備えた「Tatehata House」。北欧の森にいるかのような非日常空間が広がる別荘で、プライベートなひと時を満喫してみてはいかがだろうか。

Tatehata House
住所|群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1924-1005
料金|5万円~(定員4名まで)
IN|15:00~20:00 OUT|11:00
設備|Wifi、冷蔵庫、暖炉、調理用具、食器類、ドライヤー、バスルーム、露天風呂、サウナほか
アクセス|車/碓氷軽井沢ICから約30分 電車/軽井沢駅からタクシー約25分
Tel|050-3116-0974
Mail|tatehatahouse@gmail.com
https://www.instagram.com/tatehata_house/

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