TRADITION

貝原益軒『養生訓』の教え
|いま取り入れたい「入浴の知恵」3選

2026.7.22
貝原益軒『養生訓』の教え<br>|いま取り入れたい「入浴の知恵」3選

食事、運動、睡眠、メンタル、飲酒、入浴。それぞれのテーマから、現代社会にも通じる教えをピックアップ。日々の生活に取り入れよう。今回は、適温の湯で気をめぐらせるべく入浴の名言をご紹介!

≪前の記事を読む

どんなに忙しくても湯に浸かろう

入浴は日本が誇る生活文化。益軒は、心地よくても熱湯や長湯は身体に負担があると助言する。「注目したいのは、胃腸の症状には浴室で湯に浸かり腹を温めなさいという教え。胃腸の症状によいということは血流がよくなっているということなので、自律神経がととのう効果も期待できます。忙しくてもシャワーで済ませず、入浴しましょう」

其の一 身体を温めすぎると消耗する
「凡、衣をあつくき、あつき火にあたり、あつき湯に浴し、久しく浴し、熱物を食して、 身をあたゝめ過せば、氣外にもれて、氣へり、氣のぼる。是皆、人の身に甚害あり。」(第5巻「五官」)

厚着や暑い部屋、熱い風呂などで身体を温め過ぎると、体内の熱を逃すためにエネルギーを使うので、のぼせて疲労する。風呂は手で湯加減をみて、適温の湯に入るのを習慣にすべきだ。
 

其の二 空腹ないし満腹のときは入浴するな
「うゑては浴すべからず。飽ては沐ふべからず。」 (第5巻「五官」)

空腹で入浴すると脱水になり、血糖値が下がってめまいや脱力感に襲われる。一方で満腹時は、血液が身体の表面に集まることで消化が滞る。極端な空腹時と満腹時の入浴は避けたい。
 

其の三 胃腸の症状には腹を温める
「泄痢し、及、食滯腹痛に、溫湯に浴し、身腹をあたゝむれば、 氣めぐりて、病いゆ。甚しるしあり。」(第5巻「洗浴」)

下痢や消化不良、腹痛があるときは、暖かい浴室で湯に浸かるのがよい。身体全体をゆっくり温めることで血行がよくなり、自然治癒が促される。軽い症状なら薬を飲むより負担が少なく、効果もある。

line

text: Discover Japan, Ryosuke Fujitani, Natsu Arai photo: Kazuya Hayashi illustration: Minoru Tanibata
2026年6月号「ウェルネス入門」

RECOMMEND

READ MORE