陶芸家「阿部春弥・みか」
洗練と愛らしさが共存した、
懐の深いうつわ
|渋谷パルコ《阿部春弥・みか 個展》
主張し過ぎることなく料理を受け止め、さりげなく引き立てる阿部夫妻のうつわ。Discover Japan Lab.では2026年9月12日(土)~21日(月)にかけて「阿部春弥・みか ミニ個展」を開催。実用性を追求しつつ、一点ずつ丁寧につくられた作品には、日々の暮らしへの温かな目線が込められている。
※個展初日の入店について、一部時間帯に整理券が必要です。詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)、または公式オンラインショップをご確認ください。

阿部春弥・みか(あべはるや・みか)
愛知県立窯業高等技術専門校で出会い、修業を経て春弥さんの故郷である上田市で2007年、「三窯」を設立。うつわを春弥さん、うつわの絵付けと動物の箸置きをみかさんが制作。
工業製品と手仕事の間にある使い心地を探究する

夫妻で作陶を行う阿部春弥さん・みかさん。長野県上田市の工房で生み出される磁器のうつわは、まるで仕立てのよい普段着のように、気負わず使えて、何度も手に取りたくなる魅力にあふれている。
「うつわは暮らしの中で使う道具。磁器のよさである清潔さと丈夫さを生かし、使いやすさを踏まえながら、自分たちのつくりたいものを具現化しています」と話す春弥さん。目指すのは「工業製品と手仕事の間」。展示会に向けて新しいものを提案するという作家性と、「愛用するうちに割れてしまった」、「気に入ったので買い足したい」といったユーザーの要望に応えて過去の作品をつくり続ける職人性。そのふたつは矛盾するようで、両立すべき大切な要素なのだ。

華やかな装飾やかたち、色使いの作品も好評を博すが、屋台骨となるのはシンプルな白磁のうつわ。
「最近、白いうつわのポテンシャルを再認識する場面がたびたびあったんです。ほかの色や素材と合わせたときに、白はいろいろなものと馴染みがいいなと強く感じて」
ギャラリーだけにとどまらず、テーブル上のリアルな景色を見つめる。夫妻揃って料理好きならではの視座も、使い手の心をつかみ続けるゆえんだろう。


みかさんがフランスの古い絵皿に着想を得たというバラのモチーフ。赤は手描き、青は印判で押されている。手描きは繊細な濃淡、印判は「無作為の作為」というべきランダムな味わいが特徴
白いうつわとひと口に言っても、細やかな手仕事によって多種多様な表情をまとう。たとえば、花をあしらったシリーズ。春弥さんが成形したカップや皿に、みかさんの手で絵付けされ、小さなバラの花が鮮やかな印象を残す。潔い無地の白磁は、文様の陰影で静謐な美しさに。中でも圧巻なのが、亀甲文様を手彫りで施した麺鉢。
「最近は海外でも家でよくヌードルを食べるそうです。個展には海外の方もたくさんいらっしゃると思うので、文様でアップデートした定番の麺鉢を出品しました」

うつわの表面に隙間なく施された「しのぎ」。六角形の亀甲文様が規則正しく並ぶ仕上がりは、高い技術の証しだ。美しい陰影が生まれると同時に、滑り止めの役割もあり、手にしっくりと馴染む
凛としたうつわが並ぶ世界にほんのり甘さを添えるのが、みかさんの得意とする箸置き。水着やワンピースなどをまとった猫はあまりに愛らしく、「箸も置ける小さなオブジェ」という感覚でコレクションするファンも多いという。
「冷蔵庫の残り物でちゃちゃっとつくった料理でも美味しそうに見える。そんなうつわがあるとすごくうれしいな、という気持ちで制作しています。個展ではぜひ気になったものを手に取って、重みや手触りも楽しみながらご覧いただきたいですね」と春弥さん。食卓の名脇役と、きっと出合える。
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阿部春弥・みか 個展
会期|2026年9月12日(土)~21日(月)
会場|Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※初日に整理券配布予定。
※詳細は公式Instagram(@discoverjapan_lab)にてご確認ください。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
※Discover Japan公式オンラインショップでは、本展の一部作品を2026年9月15日(火) 20時より順次販売予定です。(店頭の販売状況により日程・内容が変更になる場合があります)
text: Aya Honjo photo: Shiho Akiyama
2026年10月号「感性の刺激する場所へ。/九州」


































