TRADITION

貝原益軒『養生訓』の教え
|いま取り入れたい「食の知恵」5選

2026.7.20
貝原益軒『養生訓』の教え<br>|いま取り入れたい「食の知恵」5選

食事、運動、睡眠、メンタル、飲酒、入浴。それぞれのテーマから、現代社会にも通じる教えをピックアップ。日々の生活に取り入れよう。まずは、養生訓の中でも多くある、食養生の名言をご紹介!

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食べ過ぎないことが第一

『養生訓』には、食養生の名言が多い。「元気を出すためによく食べるという考えが一般的ですが、養生訓の教えは、食べ過ぎると身体が弱るので、基本は腹八分目。ただ、毎日毎食控えなければならない、というわけではなく会食や宴席で食べ過ぎたら、翌日に控えればいい。それが、たとえ数日かかって控えるのでもいいという優しさがあるので取り入れやすいです」。また、自然やつくり手への感謝を忘れず、新鮮で旬のものを淡泊な味つけで食べることを心掛ければ、病を未然に防ぎ、長寿につながると説く。

其の一 栄養を与えすぎると身体が弱る
「もし、外物の養をおもくし過せば、内の元氣外の養にまけて、病となる。」(第1巻「総論上」)

人は外から取り入れる栄養が過剰になると、身体の中の生命力が負ける。それは、草木に水や肥料を与え過ぎると根が腐り、枯れてしまうようなもの。人も同じで腹八分目にすることで身体に備わった生命力が養われ、寿命が延び、天寿を全うできる。
 

其の二 脂っこいものを控え、肉は少しだけにせよ
「肥濃油膩のもの、多く食ふべからず。生冷堅硬なる物を禁ずべし。あつ物、只、一にてよろし。肉も、一品なるべし。」(第3巻「飲食上」)

日常の食事では濃厚で脂っこいものは控え、あっさりした味つけにするのがよい。生ものや冷たいもの、固いものは避け、吸い物は1品、おかずは1、2品にし、肉は1品だけにとどめる。そういった食生活は、現代病である生活習慣病予防にもつながる。
 

其の三 一日単位で腹八分目にすればよい
「朝食いまだ消化せずんば、昼食すべからず。点心などくらふべからず。昼食いまだ消化せずんば、夜食すべからず。前夜の宿食、猶滞らば、翌朝食すべからず。或半減し、酒肉をたつべし。」(第3巻「飲食上」)

消化不良のときは1日3食にこだわらず、次の食事を抜くべき。肉や酒をやめてもよく、場合によっては2、3日絶食しても構わない。軽い胃もたれなら、薬を飲まなくてもそれだけで治る。1日単位、1週間単位で腹八分目にすればよいという教えだ。
 

其の四 食べたくなるまで食べるな
「よく消化して後、飲食を好む時のみ食ふべし。」(第3巻「飲食上」)

食欲のままに一気に食べ飲みすれば胃腸を壊し、前回食べたものが腹に残っている状態で食事をとれば消化できず負担になる。十分に消化した後、食べたい気持ちが自然に起こるまで食べないこと。そうすれば、食事はすべて身体の滋養につながる。
 

其の五 夏も常温の飲みものを選べ
「夏日、瓜菓生菜多く食ひ、冷麪をしば〱食し、 冷水を多く飲めば、秋、必、瘧痢を病む。」(第3巻「飲食上」)

暑い時期は胃腸の働きが低下して消化に時間がかかるので、食べ過ぎに注意したい。また水分の多い果物や野菜、冷たい麺ばかり食べていると腹を壊す。年齢を問わず夏でも常温の飲み物を選ぶなど、一年を通じて温かいものを飲食するのが賢明だ。

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いま取り入れたい
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text: Discover Japan, Ryosuke Fujitani, Natsu Arai photo: Kazuya Hayashi illustration: Minoru Tanibata
2026年6月号「ウェルネス入門」

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