貝原益軒『養生訓』の教え
|いま取り入れたい「運動の知恵」5選
食事、運動、睡眠、メンタル、飲酒、入浴。それぞれのテーマから、現代社会にも通じる教えをピックアップ。日々の生活に取り入れよう。今回は、日々コツコツと動くことが万病の予防につながる、運動の名言をご紹介!
身体は職人が手入れする道具と同じ
「養生」と聞くと心身を休めるイメージがあるが、益軒が説く養生では身体を動かし続けることも重要。これは職人と道具の関係に似ており、私たちは自分の身体という道具を手入れする職人ともいえる。

「一日の仕事が終わると、職人は道具を丹念に手入れして磨き上げますよね。使い込んで磨き上げた道具こそが真価を発揮するのは身体も同じ。きちんと通院してセルフケアを行えば身体は長持ちするものです。それが『一病息災』の本質であり、長生きの秘訣といえるのかもしれません」

仕事で忙しい人の多くは「養生する暇などない」と言うが、隙間時間を見つけて養生することが大切。流れる水が腐らないように、よく動いたり使われたりするものは長持ちする。ダラダラと過ごすのではなく、身体を動かすことこそ健康の秘訣である。

身体は動かしっぱなしもよくないが、長時間寝たり、一日中座ったりする生活は養生にとって最悪といえる。保養のためにも、古代中国の人々が行っていた「導引(どういん)の法」(身体を揺り動かすこと)を日課にすることが望ましいと益軒は説いた。

薬と鍼灸(しんきゅう)を使うのは、やむを得ないときの最終手段。日々身体を動かしていれば血液が全身をかけめぐり、生命力で満たされる。似たような効果は鍼灸治療でも得られるが、鍼灸に伴う痛みの苦労を思えば、日々の運動こそ賢い選択といえる。

食後にのんびりと座ったり、食べ物を消化しないうちに寝たりしてはならない。食後は庭や近所を500mほど静かに歩き、雨であれば家の中を何度も行き来すること。吸収した栄養は活動のエネルギーになり、血糖値の上昇や糖尿病の予防にも役立つ。

冬を経て、肌荒れを起こしやすくなった春先の肌は、芽吹いた草木が霜によって傷むようなもの。春先は慎重に風を避けるのが望ましい。また、思わぬ寒さの戻りで風邪を引くこともあるため、身体を動かして血行を促し、体力を充実させる必要がある。
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01|貝原益軒の『養生訓』とは?
02|長寿を証明!貝原益軒のなが~い人生
03|“養生の名言”10選
04|ウェルネスの価値観の変化
05|「食の知恵」5選
06|「運動の知恵」5選
text: Discover Japan, Ryosuke Fujitani, Natsu Arai photo: Kazuya Hayashi illustration: Minoru Tanibata
2026年6月号「ウェルネス入門」

































