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ジャパニーズウイスキー蒸留所17選
|旅の目的地にしたい見学できる施設③

2026.3.22
ジャパニーズウイスキー蒸留所17選<br>|旅の目的地にしたい見学できる施設③

世界5大ウイスキーに数えられるジャパニーズウイスキー。国際的な評価も高まり続け、個性豊かな蒸留所が全国に増えている。醸される土地の個性が出るのもウイスキーの魅力だ。今回は編集部おすすめの実際に見学できる蒸留所を17施設にわたりご紹介する。ウイスキーが生まれる土地を旅して飲めば、また格別な味わいとなる。

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12|長濱蒸溜所(滋賀県)
「一醸一樽」で多彩なウイスキーを造る

ポットスチルは珍しいアランビック型。長浜浪漫ビールの醸造蔵を拡張して誕生した蒸留所の様子は併設レストランからもガラス越しに見える

見学は小規模ならではのライブ感
「長浜浪漫ビール」が2016年11月に日本最小クラスの蒸留所として誕生させた「長濱蒸溜所」。「一醸一樽」をコンセプトに、限定品も含め数多くのウイスキーを造ってきた。バーボン樽やワイン樽、ミズナラ樽を用いて旧道トンネルや廃校で熟成された「アマハガン」や「長濱」は国際品評会で最高賞にも輝いている。第一線のスタッフによるリアルな製造現場の案内や見学限定のウイスキーが試飲できる見学ツアーのほか、1泊2日でウイスキー製造体験ができるのも興味深い。

シングルモルト長濱
THE SEVENTH BATCH

価格|1万2100円(500㎖)  原材料|モルト
度数|50度 木樽の種類(木材)|フレンチオーク

長浜浪漫ビール
創業年|1996年
住所|滋賀県長浜市朝日町14-1
Tel|0749-63-4300
営業時間|平日11:30~15:00、17:00~21:00 土・日曜、祝日11:30~21:00
定休日|火曜
蒸留器|3基(アランビック型)
ウイスキーの種類|モルトウイスキー
見学形態|HPからの予約制(熟成庫見学ツアー、ボトル製作体験、蒸留体験)
料金|2200円〜
www.romanbeer.com

13|サントリー山崎蒸溜所(大阪府)
ものづくりの神髄を体感する

ストレート型とバルジ型の16基の蒸溜釜を使い、直火と間接の加熱方法を使い分け。発酵槽や樽も異なる種類を使い分けて多彩な味わいを創出する

ツアーでウイスキーが生まれる場へ
創業者·鳥井信治郎の「日本人の繊細な味覚にあった、日本のウイスキーをつくりたい」との想いから、1923年に日本初の本格モルトウイスキー蒸溜所の建設に着手した「サントリー山崎蒸溜所」。名水「離宮の水」に恵まれ、3つの川が合流する湿潤な土地で「角瓶」や「山崎」などの名品が誕生した。その歴史を伝える事前予約制の「山崎ウイスキー館」の見学のほか、有料の蒸溜所ツアーでは製造工程の見学など、限定の内容や試飲もあり愛好者は見逃せない。

サントリーシングルモルトウイスキー「山崎12年」
価格|1万6500円(700㎖) 原材料|モルト
度数|43度  木樽の種類(木材)|ホワイトオーク、スパニッシュオーク、ミズナラ

サントリー
創業年|1923年(1923年建設着手、1924年竣工)
住所|大阪府三島郡島本町山崎5-2-1
Tel|075-962-1423
営業時間|10:00~16:45(最終入場16:30)
定休日|年末年始、工場休業日(臨時休業あり)
蒸留器|初溜釜8基、再溜釜8基(ストレート型、バルジ型)
ウイスキーの種類|モルトウイスキー
見学形態|【抽選式】山崎蒸溜所ものづくりツアー(有料) 3000円、【抽選式】山崎蒸溜所ものづくりツアープレステージ(有料)1万円、【事前予約制】山崎ウイスキー館見学(無料・製造工程見学なし)
www.suntory.co.jp/factory/yamazaki

14|SAKURAO DISTILLERY(広島県)
広島の海と山の個性をウイスキーに生かす

モルトウイスキーやジンの蒸留に加え、国内であまり見られないグレーンウイスキーの蒸留も見学可能。焼酎造りの技術を生かした特注の蒸留器を使用

ウイスキーとジンの製造見学を
「SAKURAO DISTILLERY」の運営会社「サクラオブルワリーアンドディスティラリー」は1918年に創業。清酒「一代」や「ダルマ焼酎」で知られ、1920年にウイスキー製造免許を取得、1980年代まで製造していた。その蒸留技術や伝統を背景に、広島の風土や資源を生かす新たな挑戦として2017年に誕生したのがこの蒸留所。貯蔵庫は海辺の蒸留所内と山中の戸河内にあり、異なる自然環境の個性を生かしている。蒸留所の見学ツアーではウイスキー・ジンの製造見学もできる。

シングルモルトジャパニーズウイスキー戸河内
価格|6600円(700㎖) 原材料|モルト
度数|43度 木樽の種類(木材)|バーボン

サクラオブルワリーアンドディスティラリー
創業年|1918年
住所|広島県廿日市市桜尾1-12-1
Tel|0829-32-9122
営業時間|10:00~17:00
定休日|第2日曜
蒸留器|4基
ウイスキーの種類|モルトウイスキー、グレーンウイスキー
見学形態|有料見学(10:30、14:00[英語ツアー]、15:00)
料金|2000円
www.sakuraobd.co.jp

15|SHINDO DISTILLERY(福岡県)
福岡初の蒸留所が挑む独創的なウイスキー

約5500坪もの広大な敷地にある蒸留所。体験型コンセプトショップ「SHINDO LAB STAND」でボトルにウイスキーを充填するハンドフィル体験も

広大な敷地に蒸留所やショップも
「国菊あまざけ」で知られる蔵元「篠崎」は、約100年前に高峰譲吉博士が米国で試みた“麹を用いたウイスキー製造”の再現に7、8代目が親子で取り組んだことを端緒に、モルトウイスキー製造を開始。2021年に開いた新施設「SHINDO LAB」に福岡県初のクラフト蒸留所「新道蒸溜所」を開設。「THE QUEST FOR THE ORIGINAL」をモットーに複数の酵母や特注装置を用いて独創的なウイスキーを造る。蒸留所ツアーでは基本の製造工程から社外秘に近い情報(!)まで見学可能。

SHINDO EXPERIMENTAL 01
価格|1万4300円(700㎖)  原材料|モルト
度数|50度 木樽の種類(木材)|ex-bourbon、ex-sherry、mizunara、refill cask

篠崎
創業年|2021年
住所|福岡県朝倉市比良松626-1
Tel|0120-531-699
営業時間|10:00~16:00
定休日|水・木曜
蒸留器|2基
ウイスキーの種類|シングルモルトウイスキー
見学形態|完全予約制(企業サイトより)
料金|5000円
https://shindo-lab.jp/distillery

16|マルス津貫つぬき蒸溜所(鹿児島県)
酒造りの伝統をいまに伝える創業の地

多彩なウイスキー原酒が眠る香り豊かな石蔵樽貯蔵庫も見学可能。「本坊酒造」は津貫、駒ヶ岳に加え屋久島にも貯蔵庫をもち独自の風味を生み出す

創業の地ならではの歴史を感じて
焼酎「桜島」で知られる「本坊酒造」発祥の地に2016年に誕生した「マルス津貫蒸溜所」。山々に囲まれた盆地特有の地形は、夏は暑く、冬は寒さが厳しい。一年を通しての寒暖差が、南国ならではの奥深さと力強さを育んでいる。爽やかで繊細な「駒ヶ岳」とは異なる味わい。本坊家旧邸宅を改装したショップ&バー「寶常」の有料試飲でその違いを感じて。シンボルタワーの旧蒸留塔では、本坊家の歴史や蒸留酒とともに発展してきた歴史を体感できる。

シングルモルト津貫 2025エディション
価格|9020円(700㎖)  原材料|モルト
度数|49度  木樽の種類(木材)|バーボン、シェリー

本坊酒造
創業年|1872年
住所|鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
Tel|0993-55-2121
営業時間|9:00~16:00
定休日|12月29日~1月3日、臨時休業あり
蒸留器|オニオン型1基、ストレート型1基
ウイスキーの種類|シングルモルトウイスキー、ブレンデッドモルトウイスキー
見学形態|自由見学
料金|入場無料
www.hombo.co.jp

17|許田きょだ蒸留所(沖縄県)
沖縄の自然や時間を感じる一杯を

泡盛やラム、ウイスキーの原酒が約3000の樫樽で眠る「二の蔵」のスケールは圧巻。5種類のウイスキーのほか、泡盛やハブ酒なども有料試飲できる

泡盛やラム酒とともに蔵で熟成
“その土地で穫れる作物で酒を造る”“酒は樽で寝かせて旨くなる”という理念の下、1961年、サトウキビを原料としたラム酒造りからはじまった「ヘリオス酒造」。泡盛やビールなど多彩な酒を造るが、ウイスキー製造は1963年に開始。一時休止を経て2016年に「許田蒸留所」として再開した。やんばるの森が広がる名水の地である土地の風土と誠実に向き合い、ラム酒樽を使うなど沖縄らしいウイスキーを創出。酒蔵見学は泡盛が中心だが、4000ℓのカスクが眠る蔵も見られる。

シングルモルトジャパニーズウイスキー
「許田シェリーカスクフィニッシュ46%」
価格|1万1000円(700㎖) 原材料|モルト
度数|46度 木樽の種類(木材)|ホワイトオーク、オロロソシェリー(後熟)

ヘリオス酒造
創業年|1961年
住所|沖縄県名護市字許田405
Tel|0980-52-3372
営業時間|9:00~17:00
定休日|水曜(酒蔵見学)
蒸留器|銅製蒸留器3基
見学形態|完全予約制(11:00〜12:00、15:00〜16:00)
料金|500円(お土産付き)
www.helios-syuzo.co.jp

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text: Miyo Yoshinaga
2026年1月号「世界を魅了するローカルな酒」

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