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《籠屋》この夏イチオシの日本酒4選
|名酒販店が選ぶ!夏にこそ味わいたい酒①

2024.7.17
《籠屋》この夏イチオシの日本酒4選<br><small>|名酒販店が選ぶ!夏にこそ味わいたい酒①</small>

明治時代に創業した老舗から新進気鋭の酒販店まで、日本酒、焼酎、クラフトビールなど6つのジャンル別に、夏におすすめの日本の酒とその愉しみ方をご紹介。

今回は、120年以上の歴史を誇る東京・狛江の老舗で、若い造り手の日本酒も積極的に推している「籠屋」が登場。扱っている1300銘柄の中から、この夏イチオシの日本酒4銘柄を挙げてもらった。

01|雅楽代〜鳴神〜

異色の若手蔵人が造る新時代の淡麗辛口
証券会社に勤めた後、M&Aで蔵の経営権を取得した若き蔵人が、2019年から酒造りを行う新潟・佐渡島の酒蔵。古びた設備を新しいものに切り替え、酒造りのレベルを年々アップさせている。手掛ける銘柄の中で最も辛口タイプの「雅楽代 〜鳴神〜」は、ジューシーながら爽やかでキレも十分。ガス感も少しあり、フレッシュな味わいだ。

[冷]
価格|1650円/720㎖
原料米|五百万石
精米歩合|非公開
日本酒度|非公開
酸度|非公開
アルコール度数|14.5度
問い合わせ|天領盃酒造
Tel|0259-23-2111
ウェブサイト|https://tenryohai.co.jp

02|山廃純米酒 マル飛

酸味に特化した個性派な純米酒
濃醇な旨みや酸味を生み出す伝統的な山廃仕込みを得意とする、秋田・にかほの酒蔵。1487年に創業し、全国で3番目に古い歴史をもつ。リンゴ酸を多く生み出す酵母を使用した「マル飛」は、酸味と甘み、旨みのバランスがよく、ヨーグルトにも近いジューシーな味わい。日本酒としては珍しく、ソーダ割りにしても美味しい一本だ。

[冷][常温][ソーダ割り]
価格|1760円/720㎖
原料米|酒造好適米
精米歩合|60%
日本酒度|-20
酸度|3.8
アルコール度数|14度
問い合わせ|飛良泉本舗
Tel|0184-35-2031
ウェブサイト|www.hiraizumi.co.jp

03|朝日榮 純米吟醸 一回火入れ

女性杜氏らしい、みずみずしくフレッシュな味
栃木・岩舟で1831年に創業。年間生産量は100石ほどと少ないが、家族経営で工夫しながら酒造りを続けている。交通事故で杜氏になることを断念した現社長の兄に代わり、元は保育士を志していた妹が杜氏を受け継ぐ。透明感のある澄んだ味わいを目指して造られた「朝日榮」は、ほのかな吟醸香があり、キレもよい。

[冷]
価格|1815円/720㎖
原料米|五百万石
精米歩合|55%
日本酒度|+3
酸度|1.8
アルコール度数|16度
問い合わせ|相良酒造
Tel|0282-55-2013
ウェブサイト|https://asahisakae.com

04|KURAMOTO SE

日本酒の新境地を開くワインのような一本
日本酒発祥の地である奈良で、1871年から続く酒蔵。東京農業大学を卒業後、「森永乳業」に勤め、2015年より家業に入った蔵元が独自の視点で日本酒を醸造している。「KURAMOTO SE」は、マスカットのような香りでワイン好きや日本酒ビギナーにもおすすめな銘柄。爽やかな酸味とバランスのよい甘みが口の中に広がる。

[冷][常温]
価格|2750円/720㎖
原料米|非公開
精米歩合|64%
日本酒度|非公開
酸度|非公開
アルコール度数|14度
問い合わせ|倉本酒造
Tel|0743-82-0008
ウェブサイト|https://kuramoto-sake.com

※紹介する酒は季節限定銘柄なども含むため、売り切れの可能性があります。

夏に飲みたいライトな日本酒が続々登場

唎酒師やソムリエの資格をもつスタッフが厳選した酒が並ぶ

1902年、東京・狛江に創業した「籠屋」。日本酒を中心に約1300銘柄の多様な酒を扱う老舗酒販店だ。元は竹籠などを扱う店として誕生した籠屋は、食品や酒などを販売する商店を経て、’90年代より地酒の販売に注力。現在は長年つき合いのある老舗酒蔵に加え、若い造り手の日本酒も積極的に扱う。

「籠屋ブルワリー」では、狛江産のホップや、つき合いのある酒蔵の酒造りの過程で出た果物の皮などを用いてビールを醸造

「よい酒蔵は全国各地にありますが、きちんと自分たちが説明できる酒を弊店では扱いたい。可能な限り酒蔵を訪れ、蔵人と会話して、おつき合いさせていただく酒蔵を選んでいます」と酒販部部長・横山太一さん。さらに籠屋では、より地元の人に気軽に来てもらえる場所をつくりたいとの想いから、酒販店の隣でクラフトビールブルワリーとレストランも運営している。

籠屋で厳選した酒と、ジャンルにとらわれない料理が味わえるレストラン「籠屋たすく」

「近年は日本酒造りの技術の向上によって、低アルコールでもジューシーさや風味がきちんとある銘柄が増加しました。若い世代の方々には、甘みや酸味、ガス感のある日本酒が好かれる傾向にあるように思います。そのような日本酒は夏にもぴったり。ぜひ飲みやすい銘柄からトライして、好みの日本酒を見つけてもらいたいです」

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《籠屋》
軽やかな低アルコール日本酒4選

 
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《名酒販店が選ぶ!夏にこそ味わいたい酒》
01|《籠屋》この夏イチオシの日本酒4選
02|《籠屋》軽やかな低アルコール日本酒4選
03|《籠屋》ラベル買いしたい日本酒4選
04|《籠屋》キンと冷やして飲みたい日本酒4選
05|《籠屋》あえてお燗で飲みたい日本酒4選
06|《内藤商店》この夏イチオシの焼酎4選
07|《内藤商店》割って愉しむ焼酎8選
08|《内藤商店》いろいろな飲み方で愉しむ焼酎8選
09|《&SPIRITS》この夏イチオシのスピリッツ12選
10|《The Slop Shop Tokyo》この夏イチオシのビール6選
11|《信濃屋 ワイン館》この夏イチオシのウイスキー6選
12|《IMADEYA 千葉本店》この夏イチオシのワイン10選

text: Akane Sato photo: Norihito Suzuki
Discover Japan 2024年6月号「おいしい夏酒」

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