石川県《IRON WORKS KORU》
鉄の宮大工が打ち込む一生モノ
2024年3月に北陸新幹線が延伸し、注目を集めている石川県小松市。オーダーメイドで鉄の看板や什器、家具などを手掛ける「IRON WORKS KORU(アイアンワークス コル)」の若き鉄職人・酢馬慶太さんのものづくりに迫る。
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一日一枚。手打ちで命を吹き込む
「誰かができるものは、僕がつくらなくてもいいという考えでやってます」。小松の街をモチーフに廃材でつくったアートウォールを運びながら、そう話す酢馬慶太さんは異彩を放つ鉄職人だ。建築の専門学校を経て、20代はスノーボードのインストラクターを目指し国内外を転々。縁あって30歳で鉄職人の世界に入り、6年後に帰郷して「IRON WORKS KORU」をはじめた。
オーダーメイドで鉄の看板や什器、家具などを手掛け、レーザーカッターではなく手切り熔断にしかできない唯一無二の表現を追求している。
「端的に言えば〝鉄の宮大工〟なんです。図面をいただいて部材を広げ、建てるところまでする。毎回物件が異なるように、同じものはつくりません」
アウトドアフリークの間で大ヒットしているフライパンも、一つひとつたたき上げて鉄を鍛え、極限まで軽量化を実現。サイズ以外は同じものはふたつとない、すべて一点ものだ。
「この地の鉄の文化は銅山からはじまりましたが、ほかにもさまざまなジャンルでクラシカルな技術が残る小松のものづくりには刺激を受けています」
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IRON WORKS KORU
住所|石川県小松市白江町リ83-4
Tel|0761-48-4198
営業時間|10:00〜18:00
定休日|月曜
見学|可(要相談)
https://ironworks-koru.com
text: Ryosuke Fujitani photo: Norihito Suzuki illust: Fumiaki Muto
2024年4月号「日本再発見の旅」