写真家・上田優紀が《ディフェンダー》でかなえる秘境の旅。
尾瀬 大湿原への絶景ドライブ|前編
ランドローバーの伝統と進化を体現した、本格クロスカントリーモデル「ディフェンダー」。道なき道を乗り越えるパフォーマンスと強靱なボディ、そしてモダンでラグジュアリーなデザインが世界中の冒険家を魅了している。
今回、エベレスト登頂者で世界中の極地、僻地を旅する写真家・上田優紀さんが「ディフェンダー90」のハンドルを握り、尾瀬国立公園の東端に位置する福島県の秘境・田代山林へ向かった。
上田優紀(うえだ ゆうき)
写真家。1988年、和歌山県出身。京都外国語大学を卒業後、1年半をかけて45カ国を回る。帰国後、アマナに入社。2016年に独立。世界中の極地、僻地を旅しながら撮影を行っている。’21年にはエベレスト(8848m)に登頂した。
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あらゆる悪路を走破する
新時代のオフロードSUV
“オフローダーの最高峰”と称されるディフェンダーの魅力は、砂漠や雪道、沼地、水深90㎝の水路まで、あらゆる悪路、難所でも安定した走りを約束する究極の走破性だ。中でも3ドア仕様の「ディフェンダー90」は、機能性に富んだショートボディが特徴。オフロード性能と個性的なデザインが融合し、悪路だけでなく街路でもスタイリッシュな存在感を放つ新世代のSUVだ。
今回の目的地である田代山林は、三井物産が所有し保全活動に取り組む山林で、一部が尾瀬国立公園に指定され、山頂には国有林も含まれている。稀少な高山植物が多数生息する生物多様性の宝庫として名高く、標高1926mの山頂に高層湿原が広がる地形は世界的にも珍しい。
「僕が訪れるフィールドは、以前登頂したエベレストのように、森林限界を超えたバクテリアすら住めない極地がメイン。それらに比べて日本の山は、森が深く自然が豊かで、登っているだけで心地よい。また違ったよさがあります。以前に田代山林を訪れたのはカメラをはじめる前だったので、山頂の幻想的な湿原を撮影したいですね」
洗練されたインテリアに包まれたキャビンで、軽快にハンドルを切りながら上田さんが意気込みを語る。
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「強靱な耐久性と機能性は冒険の旅に欠かせない」
国内外を問わず未知の絶景に出逢うための冒険に待ち受けているのは、平坦な道ではない。
「たとえば、世界最古の砂漠であるアフリカ・ナミビアのナミブ砂漠を旅したときは、5時間かけて車で行けるところまで行き、そこから6時間かけて歩いて約8000万年前に形成されたと伝わる太古の砂漠の原風景にたどり着きました」
そういった「移動も作品の一部」というのが上田さんのスタイルだ。
「撮影するのは目的地だけではありません。心に響いた光景があれば切り取り、旅先での出会いや発見に身を任せて寄り道も厭わず、あるがままの自然風景を記録する。その冒険において相棒となる車に求めるのは、なにより耐久性と機能性。限られた時間でどこまで行けるかの勝負なので、ストレスなく悪路を走破できるというのを最も重要視しています」
「ディフェンダーは『110』や『130』サイズのイメージが強く、『90』は小さいかなと思っていたのですが、今回のような険しくて狭い畦道や細かいヘアピンカーブが続いてもすごく運転しやすく楽しめました。加えて、ほかのSUV車にはない安定感のある力強さを実感しましたね」
那須塩原方面から国道121号線を北上し、会津高原から福島に入ってさらに、栗山館岩線を走る。山深くなるにつれて起伏の激しい急勾配やタイトなカーブを繰り返すダートが続くが、オフロードで真価を発揮するディフェンダー90は颯爽と駆け抜ける。
約10㎞の未舗装路を経て、田代山林への入口である猿倉登山口駐車場にたどり着いた。
上田さんは、ラゲッジスペースから今回の撮影に使用する愛機、LEICA M type 240とレンズのZEISS Biogon T 35㎜を取り出し、登頂口に立った。
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text: Ryosuke Fujitani photo: Hiroyuki Jyoraku