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石川県《オリジナークロスジャカード》
原点進化で織り上げるジャカード織物

2024.4.26
石川県《オリジナークロスジャカード》<br>原点進化で織り上げるジャカード織物

2024年3月に北陸新幹線が延伸し、注目を集めている石川県小松市。室町時代の「加賀絹」をルーツにした世界に名を馳せる石川の織物文化。大手家具メーカーのプロダクトなどにも選ばれる機屋「オリジナークロスジャカード」のクリエイティビティとは?

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ジャカード織りの伝統をアップデート

2023年に購入して復元した、1960年代のションヘル織機が趣深い。「この織機を使って帆布や麻など伝統的な織物にも挑戦したい」と3代目・荒木重晶さん

室町時代の「加賀絹」をルーツに、時代とともに発展を遂げた石川の織物産業は、とりわけ高密度の合成繊維の技術力において世界で名を馳せている。「オリジナークロスジャカード」は、1979年の創業以来、経糸と緯糸の上下運動によって立体的にデザインを織る「ジャカード織り」にこだわる機屋だ。

製造責任者の辻直也さんは30代。オリジナークロスジャカードでは、職人技術は守りながら生産工程ソフトはIoT化するなど、労働環境や待遇も現代に合わせてアップデートしている。

高精細から手織りの風合いまで幅広い表現を実現する技術力、大量生産のニーズに応える高い生産性、そして分業が一般的な業界で企画からデザイン、生産まで一貫して手掛けるクリエイティビティは、国内の大手家具メーカーのカーテンやスポーツブランドのプロダクトなどにも選ばれ続けている。

ヨーロッパ製の最新織機も導入し、多彩なニーズに応えている

「機屋としての伝統、誇りは守りながら、現代に合わせたものづくりでジャカード織りの文化を発信したい」と意気込むのは、3代目・荒木重晶さん。精巧なアート作品や店舗のタペストリーを手掛けるなど、最新技術で伝統文化をアップデートしている。その新境地は、今春オープン予定のギャラリーカフェで触れてみてほしい。

『モナ・リザ』をモチーフにした作品。スマートフォンで撮影した写真でも1枚からオリジナルファブリックが注文できる
旧工場をリノベーションし、コワークスペースも兼ねたギャラリーカフェをオープン予定

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鉄の宮大工が打ち込む一生モノ
IRON WORKS KORU

 
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オリジナークロスジャカード
住所|石川県小松市本江町へ-5-1
Tel|076-148-5615
見学|可(要相談)
https://origina.co.jp

text: Ryosuke Fujitani photo: Norihito Suzuki illust: Fumiaki Muto
2024年4月号「日本再発見の旅」

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