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石川県《東酒造》
観音下の石文化が宿る地酒造り

2024.4.26
石川県《東酒造》<br>観音下の石文化が宿る地酒造り

2024年3月に北陸新幹線が延伸し、注目を集めている石川県小松市。すべての要素を石川県産にこだわり、「神泉」や「蛍米」などを醸す「東酒造(ひがししゅぞう)」のものづくりの背景に迫る。

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石蔵も原材料も、すべてメイド・イン・石川

文化庁の日本遺産にも選ばれている蔵は見学可。

寒冷な気候で、白山水系の美しい水と米に恵まれた石川県は、銘酒処として室町時代より酒造りが盛んに行われてきた。その中で、酒造りにかかわるすべての要素を石川県産にこだわっているのが、1860年に創業した「東酒造」だ。

限定された地域で栽培される「蛍米」

地元の観音下石を使用し、国の登録有形文化財に登録されている石蔵で受け継がれるのは、代表銘柄「神泉」をはじめとした「石川らしい地酒」造り。石川県産の酒米と金沢酵母を使用し、2010年に県内ではじめてコシヒカリの「蛍米」を原料にした酒造りに挑戦した「純米自然酒 蛍舞」は人気シリーズに。

神泉大吟醸
山田錦を贅沢に使用し、白山の伏流水と金沢酵母で醸した代表作。フルーティな口当たりで高貴な香りと深い味わいが魅力の銘酒は、初代前政府専用機にも採用された。価格|4180円/ 720㎖ 原材料|山田錦100% 精米歩合|40% アルコール度数|17度

さらに地元農家と協業し、名産地・兵庫に比する質の山田錦を用いた「神泉 純米吟醸ブルーラベル」は、フランスの日本酒コンクール「Kura Master」で2年連続受賞。7代目蔵元・東祐輔さんが伝統を守りながら目指すのは「これから日本酒に触れる方も美味しいと感じる、新しい感性を取り入れた究極の食中酒」。その想いは新しい日本酒を生み、「蛍舞」10周年記念で醸した「HOTARUMAI POMME」が、女性ワイン専門家が審査するフランスの「フェミナリーズ世界ワインコンクール」で金賞を受賞するなど国内外で評価され、新境地を切り開いている。

「地元の方に愛され、誇れる日本酒を目指しています」と代表・東 祐輔さん。8割は地元流通で残りの多くは海外流通のため、ぜひ小松を訪れて、ここにしかない美酒を味わおう

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小松の風土を映す西出酒造の酒造りとは?
 
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東酒造
住所|石川県小松市野田町丁35
Tel|0120-47-2302
営業時間|神泉石蔵本店9:00〜18:00
定休日|日曜
見学|可(要予約)
www.sake-sinsen.co.jp

text: Ryosuke Fujitani photo: Norihito Suzuki illust: Fumiaki Muto
2024年4月号「日本再発見の旅」

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