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豆まき、恵方巻の由来は?
節分の基礎知識

2021.1.26
豆まき、恵方巻の由来は?<br>節分の基礎知識

ついこの間、お正月が来たと思ったら、もう2月。2月は節分です。今年の節分は2月2日。「え、節分って2月3日じゃないの?」と驚くのも無理はありません。なんと2月2日が節分になるのは124年ぶりのことなのです。

そもそも節分って何の日?

そもそも節分とは文字通り「季節を分ける」日であり、立春の前日、お正月に対する大みそかのようなもの。本来は立春だけでなく立夏・立秋・立冬の前の日も節分ですが、現在では立春の前の日だけが行事として残っています。

明治6年に太陽暦が採用されるまで使われていた太陰太陽暦(太陰暦、旧暦)は、新月から次の新月までを1か月として12か月を1年と数えます。しかし数年すると季節と月がずれてくるので、そのずれが1か月分に近くなると3月の次に閏月(閏3月)を入れて調整します。太陽暦は4年に一度の閏年で調整するので、調整の仕方が違う2つの暦を重ね合わせると、年によってずれ方が異なり、それによって節分の日も違ってくるのです。

節分の目的は?

節分といえば、鬼を追い払う豆まき。神社仏閣で芸能人が豆をまく姿は、節分の風物詩です。地元出身の有名人やその時々の人気者が招くところが多いのですが、千葉県の成田山新勝寺の豆まきは、恒例として当代の歌舞伎俳優の市川團十郎が行います。これは初代市川團十郎が帰依していたお寺という縁がもとになっています。江戸時代、團十郎の「にらみ」という芸は“魔を払う”と神格化されており、「團十郎(がセリフをしゃべるとき)のつばきがかかると風邪をひかない」とも言われたほど。そうした團十郎の“ご利益”もあって、彼の手からまかれる豆は、いっそう霊験あらたかに感じられたのでしょう。

恵方巻はいつどこで生まれたもの?

昨今では、関西を中心に行われていた恵方巻が全国に広まり、海苔巻きだけでなくロールケーキの恵方巻なども登場し、盛り上がりをみせています。恵方巻の由来は諸説あり、大阪が発祥の地で戦後の高度経済成長期に広がったという説が有力視されていますが、江戸時代すでにあったともいう説もあり、由来は定かではありません。急にブームになったことで「一地域の風習を全国でやるのはおかしい」「縁起がいいのだから誰がやってもいい」と、賛否両論あります。

恵方巻に限らず、ごく一部の地域で行われていたことが、全国で行われるようになるのは、昔からよくあります。江戸時代には、江戸という大都市に様々な地方から人が集まり、それぞれの地元で行っていた季節の行事を、江戸でも行っていました。そのうち、いろいろ違う地域のやり方が混ざって定着したり廃れたりしたのです。現代ではテレビやインターネットなどの普及で、ほかの地域のやり方を知る機会も増え、混合化が加速しています。

柊とイワシの頭をなぜ飾る?

イワシの頭を柊の枝にさして玄関前に飾るというのも、一昔前は節分の日によく行われていました。腐りやすいイワシの悪臭と、柊のトゲトゲとで鬼を追い払うのです。柊の葉は冬でもつやつやと緑色をしています。これは過酷な冬の環境下でも強く生きる、不老不死にもつながる生命力を表し、節分が鬼=病魔を追い払う行事であったことをうかがわせます。医療の発達していない時代、冬は死亡率が高まる時期であり、立春を待つ気持ちは他の季節に比べてひときわ強かったことでしょう。まさに今、私たちが、コロナにかかりやすい冬が早く終わってくれないかと願うのと同じ思いで、昔の人も節分を行っていたのです。

豆まきは投げてはいけない⁈

枡に入れた豆をまく際、鬼を追い出そうと思いっきり投げつけていませんか? 豆は投げるのではなく“まく”もの。外に面した窓や玄関から「鬼は外」と唱えながら外に向かって豆をまき、「福は内」と唱えながら家の中にまきます(※唱える言葉が違う地域もあります)。現代では子どもがいるうちでは子どもがまくことが多いのですが、昔はそのうちの家長や、町内の年男が近隣をまわるなど、豆をまく人も決まっていました。

豆をまき終わったら、自分の年齢(数え年)の数だけ豆を食べるのが一般的です。立春=春が来る=新年という考え方から、年越しの12月31日に飲まれることが多い、豆や昆布、梅などが入った福茶を節分に飲む地域もあります。

今年の方角は「南南東」

節分の恵方は毎年方角が変わる。恵方は、歳徳神(としとくじん)という一年を守ってくれる神様がいる方角を指し、東北東、西南西、南南東、北北西の4方向のみ。2021年は南南東の方角を向いて恵方巻を食べよう。

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ライタープロフィール
湊屋一子(みなとや・いちこ)
大概カイケツ Bricoleur。あえて専門を持たず、ジャンルをまたいで仕事をする執筆者。趣味が高じた落語戯作者であり、江戸庶民文化には特に詳しい。「知らない」とめったに言わない、横町のご隠居的キャラクター。

参考資料=しきたりの日本文化(神崎宣武・角川ソフィア文庫)/日本のしきたりがまるごとわかる本(晋遊舎)/日本人のしきたり(青春出版社)/成田山新勝寺国立天文


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