FOOD

《za you zen 四季の塩―雪月風花》
山口の自然と塩匠の技術で生まれた
「塩」で身体をととのえる。

2023.1.24
<small>《za you zen 四季の塩―雪月風花》</small><br>山口の自然と塩匠の技術で生まれた<br> 「塩」で身体をととのえる。

塩は味付けのためだけのものにあらず。塩は身体に欠かせないミネラルが得られる重要な調味料。春夏秋冬、身体に必要なミネラルは微妙に異なる。旬な食材で身体をととのえるように、塩も旬のものを選んではいかがだろうか。
山口県油谷湾(ゆやわん)で生まれた「za you zen(ざ・ゆうぜん)四季の塩-雪月風花-」は、自然の力と塩匠の独自技術でつくられる塩。旬の食材の旨みをダイレクトに引き出してくれる四季の塩とその背景をひも解こう。

渋谷パルコのDiscover Japan Lab.及び公式オンラインショップにて取り扱い中!

日本の四季を「塩」で味わう

油谷湾全貌。周囲の森は長州藩の時代から現在まで、魚付林政策として人間の手が入らないように守られてきた

本州の最西北端に位置する山口県長門市の油谷湾。棚田が広がる向津具半島(むかつくはんとう)と本土に囲まれたこの湾は、四方を森に囲まれた汽水域であり、周りの森は原生林が約80%も残っている。長州藩の時代から魚付林政策として人間の手が入らないように守られてきたこの場所には、自然の生態系が残っており、植林に比べて植物の種類も多く、自然のミネラルを豊富に蓄えている。その森のミネラルが掛淵川と粟野川というふたつの長い川を伝って雨とともに流れ込み、湾状の汽水域で海のミネラルと混ざり合う。こうして山と海の恵みを凝縮して出来上がるのが、季節ごとに含まれるミネラルと味わいが異なる「za you zen 四季の塩」だ。

塩は味付けのためだけではなく、海から生まれた人間にとって本来身体に欠かせないミネラルを補給できる大切な栄養源。太古の昔、海水を煮詰めて海と同じミネラルバランスの塩をつくり、身体に摂り入れることで、体液のバランスを維持できるようになった。これが製塩のはじまりである。

「四季の塩」は旨みあふれる四季ごとの海水から匠が“太古の海のミネラルバランス”を目指してつくり上げる。塩づくりを行うのは、「Salt of Life(人々の人生に刺激を)」を座右の銘とする塩匠・井上雄然(ゆうぜん)さん。人間にとって必要なのは、空気、水の次にミネラルとオイルであるという考えのもと、深い知識と長年の経験で培った独自の製法で塩をつくる。雄然さんがこだわり続けているのが、組成の異なる結晶を混ぜ合わせることで“太古の海のミネラルバランス”に戻そうと生み出した技法「雄然式の天地返し」。塩にかける想いと海水に溶け込んだ約85種以上のミネラルを生かす技法から、唯一無二の逸品が誕生した。

向津具半島の先にある油谷島に建つ立体式塩田
「四季の塩」をつくる下関市出身の井上雄然さんは、自給自足をベ ースにした会社を営む。「地域の自給率を上げ、新たな仕事を生むためにも100の事業をつくるのが目標です」

塩で旬を愉しみ、食で身体をととのえる

「四季の塩」は春塩「花」、夏塩「風」、秋塩「月」、冬塩「雪」の4種類で構成されている。

春塩「花」は3~5月、海一面が海藻でいっぱいになる春の海からとれる、海の隠し味が効いたコクのある味わい。四季の塩の中でも風味が豊かに広がる。山菜やキャベツ、筍、シラス、タコ、イチゴなどの春食材とも相性抜群。

夏塩「風」は6~8月、海にも山からの恵みがたっぷり含まれる梅雨明けから夏の間にとれる。この季節ならではの自然が織りなす多種多様なミネラルを多く含んだ、生命感あふれる旨みの強い塩だ。枝豆やアスパラガス、トウモロコシ、トマト、桃、鮎、牛肉など季節野菜や夏に食べたい食材にもぴったり。

秋塩「月」は9~11月、美味しい食材が集まる実りの秋は、四季の中でも旬の美味しさを一番引き立てる、味覚のバランスがとれた秋ならではの塩が味わえる。カボチャやサツマイモ、栗、鮭、サンマなど秋の味覚とともに味わいたい。

冬塩「雪」は12~2月、山の葉が落ち土は栄養を蓄え、春に向けて備える時期に、山の恵みが静かに流れ込んだ海でとれる。しっとりと粉雪のような触感で旨みが際立ちながらすっきりとした雑味のなさが特徴だ。大根やブロッコリー、ほうれん草、ニンジン、ブリ、カニなど冬食材とのペアリングもおすすめだ。

「四季の塩」の製造工程
①汲み上げ

四季それぞれの海水を、森と海のミネラルが混ざり合う汽水域から汲み上げる。

②濃縮

立体式塩田にて太陽と風の力で塩の濃度を高める。海水を竹に伝わせて少しずつ蒸発させ、ミネラルを濃縮させていく。

③結晶

予備炊きの様子

4日予備炊きした後、約10時間、目を離さず塩の結晶になるまで炊き上げる。薪で炊くことで温度に差が生じ、大粒と小粒が混ざり合った味わいの異なる塩が出来上がる。

炊き上がったばかりの塩
大粒の結晶。水晶のように透けて美しく煌めいている

④仕上げ

天地返しの様子

結晶の工程で偏った各種ミネラル成分をまんべんなく混ぜ合わせるため独自に生み出した「雄然式に天地返し」で“太古の海のミネラルバランス”を目指す。
最後に杉樽で寝かせ、余分なマグネシウムをイオン化させてにがりに溶かして量を調整し、完成!

最高品質の塩がつくれる場を求め、全国を訪ね歩いた結果たどり着いた油谷湾。「塩はミネラルバランスを補い食で身体を支える“調身料”だと思っています」と雄然さんは話す。塩を通して、四季の移ろい、そして日本の豊かさを食卓で感じてみてはいかがだろうか。

読了ライン


za you zen 四季の塩―雪月風花―
種類|春塩「花」、夏塩「風」、秋塩「月」、冬塩「雪」
価格|各1580円(140g)
https://www.coyori.com

〈取扱い店〉
Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~21:00
定休日|不定休
※新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

photo=Seitaro Ikeda

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