滋賀県立美術館「ひらけ!温故知新」
絵巻の宝庫・滋賀が誇る名品が並ぶリニューアル記念展
滋賀県立近代美術館が改修を経て、このほど「滋賀県立美術館」と名前も新たにリニューアルオープン。2021年6月27日(日)から8月22日(日)にかけて、リニューアル記念コレクション展「ひらけ!温故知新─重要文化財・桑実寺縁起絵巻を手がかりに─」を開催する。滋賀県が誇る名品のひとつ、重要文化財『桑実寺縁起絵巻』を起点にコレクションを紹介していく。
絵巻と新たな美術館が“ひらく”
1984年に開館した滋賀県立近代美術館は、日本画家・小倉遊亀や染織家・志村ふくみの作品について国内随一の収蔵数を誇り、またマーク・ロスコやロバート・ラウシェンバーグといった戦後アメリカ美術を代表する作家の良作を所蔵していることでも知られていた。県立美術館としては決して大きくはないが、このほど改修を経て「滋賀県立美術館」として生まれ変わった。
館内には美術館と来館者の出会いや交流の場となるウェルカムゾーンを設け、”地域と繋がる”をテーマに展開していく。
日本美術には、絵巻物や掛軸、屏風といった形状の作品がよく見られるが、いずれも鑑賞するには人の手で“開く”ことが必要となる。滋賀県立美術館のリニューアルを記念した本展のタイトルは、“作品を開く”と“美術館が開く”というふたつの意味が込められている。
重要文化財『桑実寺縁起絵巻』を全場面公開!
現在の滋賀県近江八幡市と東近江市の市境にある繖山(きぬがさやま)山腹の桑實寺の由来と、その本尊である薬師如来の化現(けげん)などが描かれた重要文化財『桑実寺縁起絵巻』は、絵巻の宝庫である滋賀県が誇る名品のひとつ。
今回の展覧会では、滋賀県で11年ぶりに公開される、出展作品の中で最も制作年の古い本作品が導き手となり、「パノラマの視点」「ストーリーを描く」「祈りの情景」の3つの観点から、同館のコレクションを紹介する。
このほか室町時代の近江を描いた重要文化財『近江名所図』も展示。さらに、同館が誇る国内随一の小倉遊亀コレクションの中から『花三題』や『磨針峠』といった貴重な作品も目にすることができる。
《武陵桃源図》山元春挙 大正15年(1926年)滋賀県立美術館蔵(6月27日~8月22日展示予定)
イベントも開催!
本展開催中は、展覧会や絵巻にまつわるイベントが行われる予定だ。絵巻の魅力をより身近に感じよう。
スライドトーク「桑実寺縁起絵巻から見る滋賀県美コレクション」
開催日|2021年7月4日(日)
時間|14:00〜15:30
講師|大原由佳子(滋賀県立美術館 学芸員)
定員|80 名
講演会「《桑実寺縁起絵巻》に見る近江の景観表現とその物語世界」
開催日|2021年8月7日(土)
時間|14:00〜15:30
講師|亀井若菜(滋賀県立大学 教授)
定員|80名
たいけんびじゅつかん(子ども向けワークショップ)
「絵巻をつくろう!」
開催日|2021年7月25日(日)
時間|13:00〜15:30
講師|美術館スタッフ
定員|15名
材料費| 600円
対象|小・中学生とその保護者
申込方法|美術館ホームページまたは往復はがき
申込締切|2021年7月12日(月)申込多数の場合、抽選
ギャラリートーク(担当学芸員による展示解説)
開催日|2021年7月17日(土)・8月15日(日)
時間|13:30〜14:30
※会場はすべて滋賀県立美術館
※いずれも事前申込が必要
※たいけんびじゅつかんを除き先着順
この夏、本展で地域の文化財や同館のコレクションの新たな一面を探ってみてはいかがだろうか。
ひらけ!温故知新―重要文化財・桑実寺縁起絵巻を手がかりに―
会期|2021年 6月27日(日)~8月22日(日)※会期中展示替えあり
会場|滋賀県立美術館
住所|滋賀県大津市瀬田南大萱町1740−1
時間|9:30~17:00(入館は16:30まで)
料金|一般540円、高大生320円
休館日|月曜(8月9日は開館、翌日休館)
https://www.shigamuseum.jp
text=Discover Japan
≫「滋賀県立美術館」が”地域とつながる”をテーマに生まれ変わる