日本最大の湖、琵琶湖の絶景レイクビューが美しい「滋賀県」
「47都道府県の魅力を再発見!」をテーマに、これまで編集部が取材してきた各地のモノ・コトを永久保存版として紹介する《Discover Japan的、日本再発見の旅》。今回は滋賀県を取り上げます。新たな魅力を知るきっかけや、旅の計画を立てるのにもお役立てください。
「急がば回れ」の語源の舞台・琵琶湖を取り囲む内陸県
日本最大の面積を誇る湖、琵琶湖を有する。県の中央に位置し、その大きさは県土の約6分の1だ。円とつばさで県の調和の取れた発展を表現したという県章は、「シ」、「ガ」の文字を図案化しているが、中央の円形は琵琶湖。まさに滋賀県の象徴となっている。
古くから人や物が行き交う交通の要衝として栄えてきた。戦国時代には、織田信長の安土城をはじめとする数多くの築城、賤ヶ岳の戦いなどの戦の舞台と、歴史を動かした重要な場所であり、歴史的な文化遺産も多い。
「急がば回れ」ということわざは、室町時代に琵琶湖を船で横断するよりも大津市にある瀬田の唐橋を回り渡ったほうが安全で結局早かったことが由来。湖畔では、四季折々の変化に富んだ風景が楽しめ、海津大崎の岩礁、比叡の樹林、彦根の古城などの風景は、公募により「琵琶湖八景」に選定されている。
名所・観光
竹生島
琵琶湖に浮かぶ花こう岩の一枚岩からなる周囲2㎞ほどの小島。宝厳寺と都久夫須麻神社が祀られ、パワースポットとしても有名。
問|長浜観光協会
Tel|0749-65-6521
その他
彦根城
比叡山延暦寺
安土城跡
年中行事
大津祭
京都祇園祭の風情を色濃く継承した祭礼。ゴブラン織りや精巧な金具に飾られた、豪華絢爛な13基の曳山が巡行するさまは圧巻。
会期|毎年10月
会場|滋賀県大津市大津駅前中央通り周辺ほか
その他
山王祭
長浜曳山祭
八幡祭り
美術館・建築
MIHO MUSEUM
多彩な日本美術と世界の古代美術をコレクションにもつ。設計は、桃源郷をコンセプトに、世界的建築家・I.M.ペイが手掛けた。
住所|滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
Tel|0748-82-3411
http://www.miho.or.jp/
その他
琵琶湖博物館
佐川美術館
ラ コリーナ近江八幡
郷土料理
鮒ずし
塩漬けにしたフナをご飯に漬け込んで発酵させ、乳酸菌を豊富に含む。平安時代にはすでに食され、日本最古の鮨といわれる。
その他
近江牛
鰻の「じゅんじゅん」
アメノイオご飯(ビワマスの炊き込みご飯)
食
徳山鮓
湖や川、山の恵みを使った料理が楽しめる和のオーベルジュ。穏やかな余呉湖を眺めながらのんびり過ごせる。2種の味わいを楽しめる熟鮓が名物。
住所|滋賀県長浜市余呉町川並1408
Tel|0749-86-4045
営業時間|12:00〜14:30、18:00〜21:00
定休日|不定休
https://tokuyamazushi.com
クラフト
季の雲のうつわ
長浜市にある80名以上の作家が揃ううつわのギャラリー。オーナーの中村夫妻が親交を深めてきた現代作家の作品が多く並ぶ。
Tel|0749-68-6072
https://www.tokinokumo.com/
名産・土産
藤居本家の旭日 レトロラベル大吟醸
1831年創業の酒蔵の逸品。愛知川の伏流水と滋賀県産山田錦を使用。(720㎖2090円)
Tel|0749-42-2080
http://www.fujiihonke.jp/
三井寺力餅本家の三井寺力餅
三井寺と弁慶の怪力にちなむ。独自のみつときな粉で味つけ。(7本入り770円)
Tel|077-524-2689
http://www.e510.jp/tikaramoti/
旅館・ホテル
紅鮎
湖畔に佇む温泉宿。全客室に露天風呂が付き、湖面に浮かぶ竹生島などの景色が楽しめる。近江食材をふんだんに使用した食事のプランも人気。
住所|滋賀県長浜市湖北町尾上312
Tel|0749-79-0315
客室数|15室
料金|1泊2食付2万4350円〜(税・サ込)
https://www.beniayu.com/
方言
うまいでー(すごく、美味しいですね)
その他
家へいぬ(家へ帰る)
うみは大荒れや(琵琶湖は大荒れだ)
知らんてた(知らなかった)ほか
なんでもランキング!
自然公園の面積割合→全国1位
光回線の世帯普及率→全国1位
伊吹山 最深積雪量(1182㎝)→世界1位
ご当地Q&A
県で唯一ユネスコ世界遺産に登録されている寺は?
比叡山延暦寺。比叡山に広大な寺域をもつ、天台宗の総本山。1200年の歴史と伝統が世界に高い評価を受け、1994(平成6)年にユネスコ世界文化遺産に登録された。
豊臣秀吉ゆかりの「子宝の湯」と呼ばれる温泉は?
長浜太閤温泉。秀吉ゆかりの温泉として親しまれている。琵琶湖の東岸に位置。茶褐色の色をした鉄泉の温泉で、一度入ると湯冷めしにくいというのが特徴。
滋賀県・基本データ
DATA
県庁所在地|大津市
市町村数|13市・6町
面積|4017㎢
人口|141万人
人口密度|351.5人/㎢
訪問観光客数(年間)|1764万人
県の木|モミジ
郷土の花|シャクナゲ
県の鳥|カイツブリ
気候
年平均気温|15.7℃
最高気温|33.6℃
最低気温|−0.4℃
降水量|1863㎜
快晴日数|26日
降水日数|127日
雪日数|33日
観光
温泉数|25
宿泊施設数|502(ホテル+旅館)
美術館数|12
博物館数|58
道の駅数|14
国宝|彦根城天守ほか
重要文化財数|823(内国宝は56)
史跡数|51
名勝数|22
天然記念物数|15
世界遺産|古都京都の文化財
国立公園・国定公園|琵琶湖、全1カ所
出身有名人
西川貴教/SHIHO/林 遣都/宮川大輔/高橋メアリージュンほか
天然記念物
長岡のゲンジボタルおよびその発生地/鎌掛谷ホンシャクナゲ群落/鎌掛の屏風岩/別所高師小僧ほか
SDGs視点で読み解く|未来都市、滋賀県!
人間、地球及び繁栄のための行動計画として、持続可能な開発目標として国際的に採択されたSDGs。17の目標のうちゴール9の「産業と技術革新の基盤をつくろう」に関わる「発明者数割合(発明者数/総人口/2019)」に注目してみると、上位に東京都、愛知県、大阪府などの大都市圏がひしめく中、滋賀県は全国6位となっています。
昔から人や物が行き交う交通の要所だった滋賀県は全国から新しい情報や価値観が入りやすく、その環境が発明に必要な観察力や想像力を育んできたのかもしれませんね。
edit&text=Keditorial,Miho Hasegawa,Minori Fujikawa,Satomi Koba
2020年7・8月号 特集「この夏、どこ行く?ニッポンの旅計画108」