ひなまつりにひな飾り。『弥生』の祭礼と行事
京都ツウになれる年中行事
本物の京都は暮らしの中にあり…綿々と受け継がれる文化や祭り、四季を映し、歴史を物語る伝統や風習。京都の日々の暮らしに息づく年中行事を知れば京都の素顔が見えてくる。今回は3月「弥生」です。
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上巳の節句(桃の節句)
上巳は旧暦3月最初の巳の日。女児の祝いの日としてひなまつりを行う。平安時代にはこの日に川で身を清めて宴を催した。これと雛遊びが結び付き流し雛が生まれた。
ひな飾り
ひな人形を飾るようになったのは江戸時代からと伝わる。京都では、天子南面という宮中の儀式での並び方に倣い、向って右に男雛、左側に女雛を飾る。
ひなまつりの食事
酢飯にかんぴょうやシイタケ、高野豆腐などの具を混ぜ、湯葉か錦糸玉子をたっぷりとのせたばらずし、宮中の儀式に由来する生菓子「引千切」などがある。
ばらずしには、生の魚を使わないのが京都流。引千切は、引きちぎったようなかたちにした緑、紅、白などの餅や練切にあんをのせたもの。
text: Miyu Narita illustration: Mariya Arai 編集協力=京都市文化財保護課 画像協力=planmake、京都旅屋
2019年10月号「京都令和の古都を上ル下ル」