お正月の準備はできましたか?
お正月の基本
大掃除やおせちづくり、お正月を迎えるための準備はいろいろありますが、なぜやるのかはよく知らない、という人も多いのではないでしょうか? お正月にまつわる基礎知識をご紹介します。
お話をうかがった方
神崎宣武(かんざき・のりたけ)
1944年生まれ。旅の文化研究所所長。民俗学者にして岡山県宇佐八幡神社宮司。『しきたりの日本文化』、『「まつり」の食文化』ほか著書多数
新年を清々しく迎えるためにすることは?
「もういくつ寝るとお正月〜♪」などと、のんきに歌っている場合ではない。正月前にはやらなければいけないことが山ほどある。その最たるものは大掃除、次はおせちの用意だろう。しかし、なにゆえ大掃除をしておせち料理を用意せねばならないのか? もちろん、きれいな部屋ですがすがしく新年を迎えたいし、正月休みに朝昼晩と料理をしたくないので、大掃除とおせち料理にはメリットがある。だが本当の意味は、そんなものではないはずだ。
正月というのは、大晦日の晩に歳神様を我が家にお迎えし、新しい一年をまたお守りくださるよう、おもてなしをする期間で、歳神様に失礼のないように家中を清めるのが大掃除(昔はいといった)、お越しになった歳神様にお供えするのがおせち料理なのだとか。歳神様は時に田畑の神であり、また水の神であり、山の神でありと、さまざまなかたちで私たちを見守ってくださる神様。歳神様の庇護の効力が一年限りというわけではないが、春夏秋冬という自然のサイクルに則り、毎年「今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします」とおもてなしをして、歳神様に家内安全、無病息災、商売繁盛などをお願いする。それが正月なのだ。
年内も大忙し!正月を迎える準備
正月とは、厄災を払い幸福をもたらす歳神様を迎える行事期間のことを指します。よい正月を迎えるために必要な準備を紹介します。
門松ってそもそも何のため?
門松は、文字通り「門を立てる松」を意味します。時代とともに見た目も変化していく門松ですが、そんな門松の秘密を探ります。
正月のしめ飾りの由来とは?
不浄のものや悪霊を寄せ付けない、一種の魔除けの役割を持つしめ飾り。そんなしめ飾りの由来についてご紹介します。
正月のシンボル・鏡餅は何のため?
お正月にはなくてはならない鏡餅。その変わった見た目が印象的ですが、さまざまな装飾はいったい何を意味するのでしょうか。本記事では、その秘密に迫ります。
おせち料理に入っている定番食材とそのワケ
お正月といえば、まず第一に浮かぶ方も多いであろうおせち料理。さまざまな縁起の良い食材が詰められているおせち料理ですが、その食材にはどんな意味が込められているのか、そのワケを探りました。
正月にまつわる素朴なギモン集
お年玉や祝箸、お屠蘇など、お正月になると当たり前に登場するあれやこれ。ふと考えてみると、なぜそうなっているのか、知らないことがたくさん。本記事では、その疑問にお答えします。
独特な習わしが多いお正月ですが、それらの意味や秘密を理解することで、これまで以上に文化として楽しむことができます。皆さんも、素敵な年末年始をお過ごしください。
正月の基本
・年内も大忙し!正月を迎える準備
・門松ってそもそも何のため?
・正月のしめ飾りの由来とは?
・正月のシンボル・鏡餅は何のため?
・おせち料理に入っている定番食材とそのワケ
・正月にまつわる素朴なギモン集
・歳神様のおもてなし、できてますか?
text:Ichiko Minatoya illustation:Miho Nakamura
Special thanks:Noritake Kanzaki
Discover Japan 2012年12月号「冬の味覚でおもてなし」
新年を迎えるに欠かせない日本のクラフト
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