秋旅プランに加えたい!京都御所の見どころ大解剖
京都御所は1392年から明治に至る500年の間、天皇の住まいであり、国政の中心地であった。そして、明治・大正天皇の即位式なども執り行われていた。今でも平安時代の内裏の姿が残る京都御所を、2019年10月22日に行われた「即位礼正殿の儀」に想いを寄せながら訪れてみてはいかがだろう。
多くの史実に残る神聖な場所「紫宸殿」
京都御所の中でも最もオフィシャルな建物といえるのが紫宸殿だ。京都御所の正殿として、1868(慶応4)年に明治天皇が公家や大名を前に新政府の指針「五箇条の御誓文」を示し、明治・大正・昭和の3天皇の即位礼が行われた場所だ。東西約33m、南北約23mの御殿は南側を向く。古来中国では、国の君主である天子は北を背に南を向いて人民を治める「天子南面す」という思想がある。唐の都・長安を手本に造営された平安京はこの思想を反映、それは平安時代の復古を目指して1855(安政2)年に再建されたこの紫宸殿にも受け継がれる。
寝室からオフィスルームまで「清涼殿」
紫宸殿の北西にあり、天皇が日常を過ごす場所として、平安時代中期から安土桃山時代まで使われていた清涼殿。一部には、日中に群臣と対面したり、儀式などを行うオフィス的な部屋「昼御座」があるものの、そのほかは住居らしい部屋が揃う。残念ながら、一般参観で見られるのは「昼御座」を中心としたオフィス部分だけだが、この部屋の御座の後ろに見える「御帳台」に注目。ここは絹製の垂れ布であるの中で、天皇がしばし疲れを癒したといわれる休憩室的なスペース。
天皇の超プライベート空間「御常御殿」
1589(天正17)年に豊臣秀吉が、紫宸殿の修造工事に着手した際、天皇が日常を過ごす独立した御殿として新しくつくられた御常御殿。後陽成天皇から明治天皇までの16代にわたる天皇がプライベートな時間を過ごしたここは、男子禁制。成人前の稚児と年老いた何人かの男性を除き、女官だけで天皇の世話を行った。御殿には、年賀の祝いなど内々の儀式に使われる「上段の間」、「中段の間」、「下段の間」をはじめ、寝室の「御寝の間」、人との面談やダイニングとしても使われた「二の間」など15部屋があり、御所内で最も広い。
住所:京都市上京区京都御苑3
Tel:075-211-1215(受付時間:8:30~17:15)
入場時間:入場時間は季節で変動、ウェブページを確認 ※予約不要の通年公開
休止日:月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始 ※臨時休止日あり。詳細はウェブページを確認
入場料:無料
https://sankan.kunaicho.go.jp
※無料ガイドツアーは、1日4回実施(9:30~、10:30~、13:30~、14:30~)。予約不要。参観者休所に集合
京都御所は一般公開を行っており、通年無料で見学できる。京都御所のある京都御苑は、紅葉スポットとしても人気だ。ぜひ、秋旅のプランに加えてみてはいかがだろう。