FOOD

石川・金沢《ウーヴァ ウーヴァ》
地元食材を生かしたイタリアン×ナチュラルワイン

2024.6.19
石川・金沢《ウーヴァ ウーヴァ》<br>地元食材を生かしたイタリアン×ナチュラルワイン

石川県金沢市の即興イタリアンとナチュラルワインの調和が楽しめる「ウーヴァ ウーヴァ」。同店の魅力について、金沢を拠点とするうつわ作家・松本かおるさんに語っていただきました。

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即興イタリアンとナチュラルワイン

毛蟹のラザーニャ
ビジュアルのインパクトも大のこの日のひと皿。時には毛ガニのほか香箱ガニや加能ガニも使用。カニのほぐし身や内子、みそをたっぷりと。とろりとした生地とソースに旨みが詰まっている

金沢は外食の楽しみも尽きない。松本さんの一番のお気に入り店「ウーヴァ ウーヴァ」は、イタリアンをベースに、海の幸などを生かした創意あふれるメニューを展開する。

「年を重ねて、料理はどんどん自由になりました」とシェフ 佐藤忠博さん

同店は、香林坊にほど近い木倉町に店を構え、今年で10年。イタリア料理の看板を掲げつつ「いまは食材に身をゆだねて、自由に表現するのが楽しい」とシェフの佐藤忠博さん。鮮魚や野菜といった地元食材を、即興で印象深いひと皿に仕立てる。店内には訪問したワイン生産者の写真がずらり。「忙しくても丁寧にワインを語ってくれるマダムの大ファンです」と松本さん。

日本ワインも充実。地元・金沢「ヴァン・ド・ラ・ボッチ」、愛知「アズッカ エ アズッコ」、北海道「kondo vineyard」など、小規模生産者による健やかで個性的な味わいをぜひ

料理の味わいを何倍にも膨らませるのが、ナチュラルワイン。ボトルでおすすめを何か、とお願いすると、マダムの佐藤ゆり子さんがずらりとボトルを並べて一本ずつ説明してくれる。「エミリア・ロマーニャで70代のご夫婦が造られていて、ご近所さんへの量り売りが基本だけど日本にも少し分けてもらっています」。「こちらはモンブランのふもと、標高1000mのブドウから…」。モノとしてのスペックでなく、造り手や産地が鮮やかに目に浮かぶよう。松本さんは、この情熱的なプレゼンが毎回楽しみなのだという。「生産者のストーリーがそれぞれ魅力的で、全部飲みたくなってしまいます(笑)」。

泡・白・赤・ロゼの6〜7種をグラスで提供。もちろんボトルも豊富に。

土地に根ざした美味なるもの、そしてその向こう側にいる人。いくつものめぐり合いを通して、松本さんの金沢暮らしは豊かなものになっている。

マグロとブリ、甘エビのタルタル
鮎のガルム(イタリアの魚醤)で旨みをまとったタルタルと地場野菜、ユズのビールでほのかな香りをプラス。アボカドとマスカルポーネのムースとともにパンにのせて味わいたい
アオリイカのリングイネ
レアにグリルした昆布締めアオリイカを、墨ソースをからめたパスタにたっぷりとのせて。赤ワインとトマトで煮詰めた魚介のソースを散らすことで、風味にぐっと奥行きを出す

ウーヴァ ウーヴァ
住所|石川県金沢市木倉町5-4
Tel|076-254-5992
営業時間|18:00〜23:00(L.O.22:00)
定休日|水曜
※季節の食材を盛り込んだおまかせ料理コース(前菜3品、メイン、パスタ、パン)5700円程度。アラカルトもあり

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text: Aya Honjo photo: Yoshihito Ozawa
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