食事がより楽しくなる《村上圭一》のうつわ
木の生きた痕跡が残る表情豊かな暮らしの道具
|注目のうつわ作家カタログ⑱
素材を大切にする作家もいれば、ひとつの技術を洗練させていく作家もいる。そんな彼らの個性に満ちた作品は、私たちの食事をより楽しいものに変えてくれる。あなたの暮らしをより豊かにするうつわを探してみては。
今回は、樹種や産地を限定することなく木の表情を引き出すことにこだわる村上圭一さんの使うほどに手に馴染むうつわを紹介。
村上圭一(むらかみ・けいいち)
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科にて木工を専攻。在学中、木という素材の楽しさに触れ、中でも手に収まるサイズのテーブルウェアに興味をもつことに。2009年より木工制作を開始し、現在は個展を中心に活動中
「割れ、節、虫食いといった自然の中で生きてきた痕跡に、木という素材の魅力があると思っています」。だからこそ樹種も産地も限定せず、自然が育んできた木の表情を徹底的に引き出すことで生まれる佇まいは、かたちこそシンプルながら唯一無二。「陶器、ガラス、金属といった、さまざまな素材のうつわとも相性がよく、どんな食卓にも馴染みます。軽くて割れにくいので、気軽に取り入れてほしい」と、暮らしの道具としての機能も申し分ない。
オーソドックスなかたちゆえ、サイズが変わるだけで存在感が変わるところも村上さんの作品のおもしろさ。洋食をのせても和食を盛っても雰囲気よくまとまるうつわは、美味しさに磨きをかける。
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素材本来の質感にこだわった
機能美あふれる日用の漆器
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text: Natsu Arai photo: Shimpei Fukazawa
Discover Japan 2023年12月号「うつわと料理」