食事がより楽しくなる《水谷智美》のうつわ
はかなげな色彩と力強い土による
焼締め技法のストーンウェア
|注目のうつわ作家カタログ⑦
素材を大切にする作家もいれば、ひとつの技術を洗練させていく作家もいる。そんな彼らの個性に満ちた作品は、私たちの食事をより楽しいものに変えてくれる。あなたの暮らしをより豊かにするうつわを探してみては。
今回は、佐賀県多久市の工房でストーンウェアを制作する水谷智美さんの岩のような表情が魅力のうつわを紹介。
水谷智美(みずたに・ともみ)
幼少期に通った茶道教室がきっかけで、工芸の世界に興味をもつことに。愛知県立芸術大学陶磁専攻を卒業後、岐阜県飛騨市にて制作を開始。島根県松江市での築窯・制作を経た後、佐賀県多久市に工房を構える
「土から生まれる表情や、丈夫な焼き上がりがいい」と、陶器と磁器の中間の性質をもつストーンウェアを制作する水谷さん。岩肌に似たざらりとした質感や出土品のような独特の風合いは、うつわの表面に色彩を施して窯で焼締めることで生まれるもの。調湿作用のある焼締めのうつわは、出来たての料理の美味しさをキープする役割ももっている。
自身の手に馴染む素材から自然が秘める力強さを引き出す水谷さんにとって、焼物とは自然と人の暮らしの間に佇むもの。「自然から得られる素材やエネルギーの恵みが焼物には詰まっています。だからこそ、今後は肩の力を抜いて自然体で制作に向き合っていきたい」と考えているようだ。
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削ぎ落とされたフォルムに漂う土の気配
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text: Natsu Arai photo: Shimpei Fukazawa
Discover Japan 2023年12月号「うつわと料理」