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食事がより楽しくなる《壷田和宏・亜矢》のうつわ
高千穂の力強い土を生かした おおらかな風合い
|注目のうつわ作家カタログ⑤

2024.1.10
食事がより楽しくなる《壷田和宏・亜矢》のうつわ<br><small>高千穂の力強い土を生かした おおらかな風合い<br>|注目のうつわ作家カタログ⑤</small>

素材を大切にする作家もいれば、ひとつの技術を洗練させていく作家もいる。そんな彼らの個性に満ちた作品は、私たちの食事をより楽しいものに変えてくれる。あなたの暮らしをより豊かにするうつわを探してみては。
 
今回は、土の背景に思いを馳せて作陶をつづける壷田和宏さん・亜矢さん夫妻の力強さあふれるうつわを紹介。

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壷田和宏・亜矢(つぼた・かずひろ/あや)
ともに1972年生まれ、愛知県立芸術大学陶磁専攻科卒業の壷田和宏さん・亜矢さん夫妻。愛知県長久手市に初の登窯を築いた後、三重県伊賀市を経て宮崎県高千穂町に移住。同地に住居兼工房を構え作陶する

高千穂の力強さを感じるざらりとした質感
火成岩の間を噴き上げる熱水の風化作用によって生まれた黒原土のみを使用。一般的な土とは性質が異なる黒原土は、表情も手触りも荒々しい

恩師である鯉江良二さんに憧れて陶芸の世界に飛び込んだという壷田和宏さん。仕事場に置いて眺めることもある、鯉江さんの作品の高潔かつ壮健なところに、愛着と尊敬をもっているそうだが、土からむくりと起き上がってきたような壷田夫妻の作品にも、その想いは息づいている。「食卓で規格品のうつわとともに並ぶと、雑多で異質に見えるかもしれませんが、村々に手仕事があった時代の風景を思い出しながら使ってみてほしい。使うことで心が軽くなるような自然に近いものづくりがしたいんです」。そう願う二人が、出身である東海地方を離れ、作陶の地に選んだのは、日本の原風景が広がる宮崎県北西部の高千穂町。手つかずの荒野が広がる約3万坪の土地をならし、自らの手で住居も工房も畑もゼロから築いたという逞しさが、うつわにも投影されている。
 

火の力に任せた変化に富んだゆがみ
薪窯の火の状態により、かたちが大きく変化する壷田夫妻の作品。予想だにしないかたちには、火が生み出す自然美が宿っている

「それぞれの年代や状況など、土の背景を思い浮かべて制作するのが楽しいんです」と、壷田夫妻の作品には高千穂の原土をはじめ、東海地方の蛙目土に鍋土、九州地方の赤土、白土、白磁土と、さまざまな土地の魅力が複雑に混ざり合う。うねるようなかたちも持ち味のひとつだが、その理由は「かたちは土が教えてくれる」ため。土の声に耳を傾けることで生まれるエネルギッシュなうつわだからこそ、陶芸家個人としての作品ではなく、時代や地域の産物として存在してほしい。これこそ、自然と生きる壷田夫妻の願いである。

黒原土炭化焼〆鉢
色、かたちともに窯の火による変化が大きいため、作家自身も予想外の仕上がりとなる一品。鋳込みの型を用いた、人の手が入り過ぎない素朴さも魅力
価格|1万7600円
サイズ|H288×D245×H88㎜
重量|780g
黒原土炭化焼〆皿
焼締めが醸すプレーンなグレーカラーは壷田夫妻もお気に入り。サラダやゆでた芋などを豪快に盛るだけで、冷えたビールが欲しくなる
価格|1万7600円
サイズ|H280×D260×H80㎜
重量|935g
黒原土炭化焼〆皿
ろくろで真っ平らに挽くことでフラットな仕上がりに。取り皿としては少し大きめながら、自宅で使うとしゃれた店の雰囲気が味わえる
価格|1万2100円
サイズ|φ235×H20㎜
重量|725g
黒原土炭化焼〆鉢
青みがかった黒を出したいとの想いから、黒原土を炭化で焼いた小鉢。吸い込まれるような深い青は、飾って眺めるだけでも美しい
価格|8800円
サイズ|W165×D145×H50㎜
重量|320g
黒原土炭化焼〆皿
小ぶりな鋳込みの皿は、蒸留酒を傾けるリラックスタイムに似合う渋い味わい。オリーブや漬け物といったおつまみをのせたい
価格|9900円
サイズ|φ200×H17㎜
重量|430g

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《二階堂明弘》のうつわ
日本の焼物文化を継承した
暮らしの中で使えるアート

 
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《注目のうつわ作家カタログ》
[陶磁器]
01|青木良太
02|田村 一
03|十場あすか
04|小川 綾
05|壷田和宏・亜矢
06|二階堂明弘
07|水谷智美
08|山本憲卓
09|シライナギサ
10|沼田智也
11|小島鉄平
12|湯町窯
[ガラス器]
13|西村 青
14|太田良子
15|古賀雄大
16|笹川健一
17|木下 宝
[木器・漆器]
18|村上圭一
19|蝶野秀紀
[飯碗]
20|ごはん茶碗 18選
[マグカップ]
21|マグカップ 18選

text: Natsu Arai photo: Shimpei Fukazawa
Discover Japan 2023年12月号「うつわと料理」

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