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食事がより楽しくなる《山本憲卓》のうつわ
削ぎ落とされたフォルムに漂う土の気配
|注目のうつわ作家カタログ⑧

2024.1.10
食事がより楽しくなる《山本憲卓》のうつわ<br><small>削ぎ落とされたフォルムに漂う土の気配<br>|注目のうつわ作家カタログ⑧</small>

素材を大切にする作家もいれば、ひとつの技術を洗練させていく作家もいる。そんな彼らの個性に満ちた作品は、私たちの食事をより楽しいものに変えてくれる。あなたの暮らしをより豊かにするうつわを探してみては。
 
今回は、土本来の美しさを引き出す陶器づくりが信条の山本憲卓さんが生み出す大地の優しさに満ちたうつわを紹介。

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山本憲卓(やまもと・のりたか)
芸術大学卒業後、陶芸家・大嶺實清(じっせい)さんに師事。沖縄・読谷村に工房を構える。土に含まれる成分や性質を生かし、土の個性を引き出した作品が特徴。沖縄の自然などからインスピレーションを受け取っている

不均一だからこそお気に入りの表情を探したい
表面が濃く光って見える部分は、もみ殻の成分が溶けてガラス質に変化したため。一枚として同じ表情のものはない

芸術大学に在学時代、実験的に土を窯で焼いてみたところ、土とはまったく異なる硬い物質になって窯から出てきた。その光景に心奪われ、山本憲卓さんは陶芸に目覚めたという。
 
「もともとアート性の強いオブジェを制作していたのですが、土を練って窯で焼いてうつわをつくる。陶器づくりは原始的ですごくおもしろいなと思って」と語る山本さん。意識しているのは、土本来の美しさを引き出すこと。そのためなるべく手を加えず、フォルムも高台などを省いて極限までシンプルに。土と炎の力を借りて生み出されるうつわは力強く、マットな質感から大地の優しさが伝わってくる。自然が生み出す造形美を、ぜひ肌で感じてほしい。

焼締 平丸皿
もみ殻を使うことで鮮やかなれんが色に仕上がる。和菓子などの菓子とも相性がよく、普段使いの取り皿としてもいかが
価格|3300円
サイズ|φ140×H8㎜
重量|180g
粉引 ボウル
両手のひらにすっぽり収まるフォルムを目指した。粗めの石入り陶土を使い、表面に凹凸感を出した。茶碗のほか、小鉢としても便利
価格|3520円
サイズ|φ123×H48㎜
重量|165g
深リム皿 小
ベースに沖縄の陶土を使い、白い泥をかけた粉引のうつわ。どことなく洋皿のような優雅な雰囲気で、合わせる料理を選ばない
価格|3850円
サイズ|φ180×H37㎜
重量|330g

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《シライナギサ》のうつわ
食卓がパッと華やぐモノトーンの優美な世界

 
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《注目のうつわ作家カタログ》
[陶磁器]
01|青木良太
02|田村 一
03|十場あすか
04|小川 綾
05|壷田和宏・亜矢
06|二階堂明弘
07|水谷智美
08|山本憲卓
09|シライナギサ
10|沼田智也
11|小島鉄平
12|湯町窯
[ガラス器]
13|西村 青
14|太田良子
15|古賀雄大
16|笹川健一
17|木下 宝
[木器・漆器]
18|村上圭一
19|蝶野秀紀
[飯碗]
20|ごはん茶碗 18選
[マグカップ]
21|マグカップ 18選

text: Misa Hasebe photo: Shimpei Fukazawa
Discover Japan 2023年12月号「うつわと料理」

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