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食事がより楽しくなる《青木良太》のうつわ
釉薬の可能性を秘めた色彩豊かで斬新な陶芸
|注目のうつわ作家カタログ①

2024.1.10
食事がより楽しくなる《青木良太》のうつわ<br><small>釉薬の可能性を秘めた色彩豊かで斬新な陶芸<br>|注目のうつわ作家カタログ①</small>

素材を大切にする作家もいれば、ひとつの技術を洗練させていく作家もいる。そんな彼らの個性に満ちた作品は、私たちの食事をより楽しいものに変えてくれる。あなたの暮らしをより豊かにするうつわを探してみては。
 
今回は、たゆむことなく釉薬の研究を重ねる青木良太さんだからこそ創り出すことができる色彩豊かなうつわを紹介。

青木良太(あおき・りょうた)
1978年、富山県生まれ。年間約1万5000種にも及ぶ釉薬研究や、金・銀・プラチナといった従来の陶芸では使用されなかった素材を取り入れた新時代の作風が特徴。国内外での個展に加え、若い陶芸家を支える活動も担う

焼かなければわからない焼物のおもしろさが集約
釉薬の作用によって表現される黒い垂れは、青木さんの特徴のひとつ。焼きにより仕上がりが異なるため、ひとつとして同じ表情のものはない

異端児や個性的という言葉が、これほどしっくりくる人物はいない。「この世になかったものをつくるのが私の宿題」と、1種の釉薬に対して10パターンの調合を試し、その中からアタリをつけ、さらに10パターンを試す。そんなトーナメント戦のような釉薬の研究は、年間約1万5000回にも及ぶ。「研究しても、焼いてみないと最後までわからないのが陶芸。果てしない試行錯誤が楽しいんです」。

金属的な見た目と、温かみのある陶器の触感
自身が大好きだという金色や足長の高台は、青木さん作品の代名詞。一見すると金属製の盃のようだが、触るとしっとり手に吸い付く焼物感が

青木さんは元から陶芸家志望だったわけではない。美容師、ファッションデザイナーとさまざまな職を考えていたが、変化するヘアスタイルや量産ありきの服飾の世界は、自身と相反すると考えた。そこで偶然出合ったものが、鵬志堂イサムさんのうつわ。「陶芸という世界を知り近所の陶芸教室でうつわをつくった瞬間に、これしかないと感じた」と、導かれるように陶芸家・青木良太は目覚めた。
 
「陶芸に生かされる宿命」。こう話す青木さんは、しっとりとした赤の色漆や、キラキラと輝く金属のテクスチャーを釉薬だけで表現する。芸大・美大出身ではないというハンディキャップが、青木さんを未知の領域へと突き動かした。
 
作家には作風がつきものだが、彼の作品は、いい意味でバラエティに富む。だが、そのどれもが誰も見たことのないうつわだからこそ、ひと目で青木さんの作品だとわかる。「21世紀の陶芸は、すべて青木がやり尽くしたと2000年後の後世で言われたい」と語る。

ボナペティプレート 9 深海瓷
深い海に入った時に見えた色を再現。深海の揺らぎのように繊細な濃淡は一寸も気をゆるめずに調合した釉薬のたまもの
価格|11万円
サイズ|φ265×H25㎜
重量|770g
ご飯茶碗 アップルレッド
抹茶碗の削り技術を高台に生かし、内側までろくろ目をつけた。ご飯を盛った際にちょうどよくなるよう、重さまで計算されている
価格|4730円
サイズ|φ110×H60㎜
重量|175g
白乳瓷盃(筒)
飲み口からにじむように流れ落ちるぽってりとした黒い垂れとミルク色の対比が美しい。すべてが一点もので、垂れの流れ具合が異なる
価格|2万7500円
サイズ|φ50×H47㎜
重量|50g
王様のマグカップS
「金=王さま」のイメージから名付けられた、デビュー当時から制作するシリーズのひとつ。ほかに銀の王子、赤の女王シリーズもあり
価格|11万円
サイズ|φ85×H70㎜(持ち手30㎜)
重量|245g
王様の盃(足長)
その名の通り、王さま気分が味わえる輝く金色の釉薬がまぶしい一品。陶器のため飲み口がやさしく、カップとしての実用性も高い
価格|3万3000円
サイズ|φ85×H45㎜
重量|80g

※Discover Japan Lab.で取り扱いあり

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《田村 一》のうつわ
ろくろを自在に操り
独創的なフォルムを創出

 
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Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
※最新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
※掲載商品は一部であり、店頭にはさまざまなうつわが並びます。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。

《注目のうつわ作家カタログ》
[陶磁器]
01|青木良太
02|田村 一
03|十場あすか
04|小川 綾
05|壷田和宏・亜矢
06|二階堂明弘
07|水谷智美
08|山本憲卓
09|シライナギサ
10|沼田智也
11|小島鉄平
12|湯町窯
[ガラス器]
13|西村 青
14|太田良子
15|古賀雄大
16|笹川健一
17|木下 宝
[木器・漆器]
18|村上圭一
19|蝶野秀紀
[飯碗]
20|ごはん茶碗 18選
[マグカップ]
21|マグカップ 18選

text: Natsu Arai photo: Shimpei Fukazawa
Discover Japan 2023年12月号「うつわと料理」

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