食事がより楽しくなる《青木良太》のうつわ
釉薬の可能性を秘めた色彩豊かで斬新な陶芸
|注目のうつわ作家カタログ①
素材を大切にする作家もいれば、ひとつの技術を洗練させていく作家もいる。そんな彼らの個性に満ちた作品は、私たちの食事をより楽しいものに変えてくれる。あなたの暮らしをより豊かにするうつわを探してみては。
今回は、たゆむことなく釉薬の研究を重ねる青木良太さんだからこそ創り出すことができる色彩豊かなうつわを紹介。
青木良太(あおき・りょうた)
1978年、富山県生まれ。年間約1万5000種にも及ぶ釉薬研究や、金・銀・プラチナといった従来の陶芸では使用されなかった素材を取り入れた新時代の作風が特徴。国内外での個展に加え、若い陶芸家を支える活動も担う
異端児や個性的という言葉が、これほどしっくりくる人物はいない。「この世になかったものをつくるのが私の宿題」と、1種の釉薬に対して10パターンの調合を試し、その中からアタリをつけ、さらに10パターンを試す。そんなトーナメント戦のような釉薬の研究は、年間約1万5000回にも及ぶ。「研究しても、焼いてみないと最後までわからないのが陶芸。果てしない試行錯誤が楽しいんです」。
青木さんは元から陶芸家志望だったわけではない。美容師、ファッションデザイナーとさまざまな職を考えていたが、変化するヘアスタイルや量産ありきの服飾の世界は、自身と相反すると考えた。そこで偶然出合ったものが、鵬志堂イサムさんのうつわ。「陶芸という世界を知り近所の陶芸教室でうつわをつくった瞬間に、これしかないと感じた」と、導かれるように陶芸家・青木良太は目覚めた。
「陶芸に生かされる宿命」。こう話す青木さんは、しっとりとした赤の色漆や、キラキラと輝く金属のテクスチャーを釉薬だけで表現する。芸大・美大出身ではないというハンディキャップが、青木さんを未知の領域へと突き動かした。
作家には作風がつきものだが、彼の作品は、いい意味でバラエティに富む。だが、そのどれもが誰も見たことのないうつわだからこそ、ひと目で青木さんの作品だとわかる。「21世紀の陶芸は、すべて青木がやり尽くしたと2000年後の後世で言われたい」と語る。
※Discover Japan Lab.で取り扱いあり
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ろくろを自在に操り
独創的なフォルムを創出
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Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00〜21:00
定休日|不定休
※最新情報は公式Instagram(@discoverjapan_lab)などで随時紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
※掲載商品は一部であり、店頭にはさまざまなうつわが並びます。
※サイズ・重量は掲載商品の実寸です。同じシリーズでも個体差があります。
[陶磁器]
01|青木良太
02|田村 一
03|十場あすか
04|小川 綾
05|壷田和宏・亜矢
06|二階堂明弘
07|水谷智美
08|山本憲卓
09|シライナギサ
10|沼田智也
11|小島鉄平
12|湯町窯
[ガラス器]
13|西村 青
14|太田良子
15|古賀雄大
16|笹川健一
17|木下 宝
[木器・漆器]
18|村上圭一
19|蝶野秀紀
[飯碗]
20|ごはん茶碗 18選
[マグカップ]
21|マグカップ 18選
text: Natsu Arai photo: Shimpei Fukazawa
Discover Japan 2023年12月号「うつわと料理」