FOOD

プラザハウス代表・平良由乃さん
が愛する沖縄ソウルフード

2023.8.15
プラザハウス代表・平良由乃さん<br>が愛する沖縄ソウルフード

沖縄の食はバラエティに富んでいる。地元の人が食べ慣れ親しんできた定番の沖縄料理や沖縄そばから独自の発展を遂げた世界各国の料理、地元にこよなく愛される店まで、県民が愛するソウルフードをご紹介。

プラザハウス代表
平良由乃(たいら・よしの)

沖縄がアメリカだった時代に開業したプラザハウスショッピングセンター(日本初のS.Cとされている)5代目代表取締役。「ブルーゾーンオキナワ」をコンセプトに掲げた「ロージャースフードマーケット」では輸入食品をはじめ、日本の美味しいものを紹介。ナショナルブランドではなく地域で生まれる美味しいものに注目している

ウチナーンチュのソウルフードは
やっぱりアメリカン

A&Wのハムチーズサンドは390円

私のようなコザンチュ(コザ=沖縄市の中でも米軍基地に近いエリア生まれの人)のソウルフードはアメリカンフードかもしれません。創業60年を迎えるアメリカ生まれのファストフード「A&W沖縄」の、鉄板で焼いた食パンの「ハムチーズサンド」がお気に入り。

煮込んだ豚ロースをカリッと焼き上げたカルニタスとビーンズソース、トルティーヤ、ライスがプレートになったオブリガード読谷のカルニタスミール1580円

創業者で画家でもあるリックさんと知り合い、通いはじめたメキシカン料理店で、かつては嘉手納町にあった「オブリガード読谷」。創業から47年、沖縄の行事では「タコス」のオードブルも人気の、地元に愛されるとても沖縄的なメキシコ料理店です。「カルニタス」という豚肉料理はとても味わい深く、昔から変わらない手づくりの素朴なソースにほっとします。

沖縄原種の野菜や薬草を使った「Caféがらまんじゃく」のがらまん定食3000円

最近は職業柄、県内で頑張る生産者の加工品や野菜、ハーブを駆使した料理に興味があります。そんなこともあって、おすすめしたいのが、週末だけ営業している薬膳料理名店「Caféがらまんじゃく」。先代の薬膳研究家、故・山城清子さん考案の沖縄の野草をふんだんに使ったレシピを娘さんが引き継いでいます。沖縄では、医食同源・ヌチグスイ(食は命の薬になる)。古民家で静かに慈しんで食べる料理には絶対になくしてはならない沖縄の食のルーツがあるように感じます。本当はあまり教えたくないお店です。

宮古島で独自の自然養蜂でつくる入手困難な宮古蜜は2592円(180g)

ルーツといえば、私がはじめて訪れた外国はバリ島 なのですが、そこで出会った老女が祖母にそっくりで、女性の顔立ちはまるでウチナーンチュ(沖縄人)。チャンプルーと呼ぶ料理があり、しかも豚ばかりを食べている。聞こえてくるガムランの音階や咲き誇る草木、湿度を含んだ空気と波風、まるでいにしえの沖縄にタイムスリップしたようでした。その豊かなフードカルチャーに沖縄を重ね、プラザハウス内に「BALI NOON BALI MOON」を開業しました。バリから移住した料理人たちによるミミガーやゴーヤーなどの沖縄食材と、バリブンブ(ジンジャーがベースになる薬膳ペースト)を用いたバラエティ豊かなバリ料理は沖縄の風にピッタリなんです。

4つのフレーバーを楽しめるブラウンシュガーファッジプレーン756円、そのほか810円

最近気になる沖縄土産は非加熱で非精製、無添加、無薬品、無給餌と、究極の自然養蜂でできた入手困難なハチミツ「宮古蜜」です。美味しさもさることながらビデンスピローサの花の香りにうっとりします。「ロージャースフードマーケット」で販売していますが売り切れ必至の人気商品です。
 
波照間産の黒糖にロージャースフードマーケットオリジナルのスパイスを配合した「HATILUMA CRUZオリジナル黒糖」は、ストレートティーやチャイ、煮込み料理などにも便利です。プラザハウスオリジナルの「ブラウンシュガーファッジ」はイギリスの伝統的ファッジから着想を得ています。白糖を黒糖に替えて、ジンジャーやタンカン(沖縄のミカン)、ラム、プレーンの4種類があり、小さな四角いキューブをひとつ口にするだけで、疲れがすーっと抜ける加減のいい甘さです。

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OKINAWA FOOD FLEA主宰・石井雄一郎さん
が愛する沖縄ソウルフード

 
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A&W沖縄
www.awok.co.jp
 
オブリガード読谷
住所|中頭郡読谷村古堅497-1
Tel|098-956-7420
 
Caféがらまんじゃく
住所|国頭郡金武町金武10507-4
Tel|098-968-8846
 
BALI NOON BALI MOON
住所|沖縄市久保田3-1-12
Tel|098-933-1144
 
ロージャースフードマーケット
住所|沖縄市久保田3-1-12
Tel|098-932-4484

text: Kiyomi Gon photo: Tsunetaka Shimabukuro
Discover Japan 2023年7月号「感性を刺激するホテル/ローカルが愛する沖縄」

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