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京都を代表する“カワイイ”を連れ帰る
「三三屋」の高山寺の仔犬
買って帰りたい京都

2020.10.31
京都を代表する“カワイイ”を連れ帰る<br>「三三屋」の高山寺の仔犬<br><small>買って帰りたい京都</small>

いまは何でも取り寄せて買える時代。でも、せっかく京都を訪れたなら、足を運ばないと聞けないつくり手の話とともに買って帰りたい、京都ならではの”いいもの”を、京都出身の目利き人・内藤恭子さんが厳選して教えてくれた。

選・文=内藤恭子
共著『京都を買って帰りましょう。』をはじめ、ジャンルを問わずつくり手の取材を数多く手掛ける。作家作品などを紹介するショップ「好事家 白月」も主宰する

原型を手に語る小林さん。陶器製のものより、精密に再現できるのがソフビのよいところだ。高山寺の仔犬5400円

高山寺で有名なのは鳥獣人物戯画だが、愛らしい動物は絵巻物の外にもいる。「木彫りの狗児」だ。狗児は仔犬のことで、動物好きだった開祖・明恵上人が、愛玩したと伝えられている。

高山寺の仔犬は触れないが、触れる&買えるそっくりの仔犬が、「三三屋」というgroovisionsが主宰する京都土産物のセレクトショップに座っている。「実は陶器製の狗児を仕入れる予定が、生産を終了していたんです。ふと、ソフビでつくったらおもしろいと思って提案すると、ご住職が快諾してくださり製作が実現しました」と、三三屋店主で、清水寺御用達の左官職人でもあり、アーティストの顔ももつ小林常司さん。何でまたソフビ製なのかというと、そこには長いストーリーがあるのだが、ざくっと簡潔に言えば、小林さんの頭の中には、「ソフビでなら、この木彫りを完璧に再現できるアーティスト」が思い浮かんだから。原型は、紙製ロボット「カミロボ」の発表を行うなど多岐にわたり活躍している安居智博さんが担当。制作はプレスポップが手掛け、2年近い試作期間を経て完成した。木彫りは湛慶の作と伝えられており、あの運慶の長男で鎌倉時代を代表する仏師だ。ノミの跡を思わせる独特の凹凸も見事に再現され、くるりと巻いた尾っぽも愛らしい。「原型はさすがに本物から採ることはできないので、レプリカから再現していますが、陶器製では再現できない躍動感が表現できたと思う。ご住職も喜んでくださいました」と、小林さんも出来栄えに満足そう。あの志賀直哉も「時々撫で擦りたいような気持ちのする彫刻」と称したというから、もしこの仕上がりを目していればさぞ驚いたことだろう。

 

三三屋
住所|京都市中京区東洞院蛸薬師下ル元竹田町639-11
Tel|075-211-7370
営業時間|12:00〜19:00
定休日|土・日曜、祝日のみ営業
http://www.groovisions.com/mimiya/

《買って帰りたい京都》
1|薄紅色に透き通る、とろける鯖の大トロ「祇園いづ重」の鯖姿寿司極上
2|織姫さまにも差し上げたい甘い5つの口福「松屋藤衛門」の珠玉織姫
3|緑茶だけではない京のお茶「椿堂茶舗」の京都紅茶
4|新撰組も味わった昔ながらの漬物の味「総本家近清」の漬物
5|無精者も虜にする簡単出汁「うね乃」の出汁
6|自分好みに育てるかばん「一澤信三郎帆布」の麻かばん
7|巨匠も愛した芸術品を普段に楽しむ贅沢「竹中木版竹笹堂」の木版手摺和紙
8|京都を代表する“カワイイ”を連れ帰る「三三屋」の高山寺の仔犬
9|貴人の愛した古裂をそっと忍ばせて「ちんぎれや」のがま口
10|集めても贈っても穏やかな表情で福を招いてくれるはず「嵐山いしかわ竹乃店」の嵯峨面

photo: Sadaho Naito
Discover Japan TRAVEL 2019年号 特集「プレミアム京都2019」


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