北海道・旭岳温泉《湯元 湧駒荘》
大自然とも触れ合える宿
|温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ
保養スタイル別温泉宿①
「ゆるりと心身を癒してくれる温泉宿」をテーマに、温泉ビューティ研究家・石井宏子さんが選ぶ保養スタイル別温泉宿を紹介。温泉滞在は連泊してこそ。移動の心配がない「自由な丸一日」ができ、温泉をゆっくり堪能できる。ゆとりがあると心も身体も喜ぶし、旅の楽しみ方が多角的に変わっていく。
今回は、5つの異なる泉質を楽しめる北海道・旭岳温泉の「湯元 湧駒荘」を紹介する。
文=石井宏子(いしい ひろこ)
温泉ビューティ研究家・旅行作家。国際中医師。国内外の温泉を年間200日旅して温泉コラムを執筆。杏林大学兼任講師(温泉療養学)。国際中医師の観点で著書『新・温泉ビューティ』(グリーンキャット)を上梓
旭岳のパワーをいただく滞在
源泉が5つあり毎分300ℓ以上の湯が湧出する温泉のワンダーランド。異なる源泉をテイスティングするように、別々の湯船で入り比べるのが楽しい。泉質はマグネシウム・カルシウム・ナトリウム–硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉など。透明のぬる湯に、ガツンと力強い濁り湯の元湯や、ミネラルザクザク系の湯など、見た目も入った感触も異なり、5つともまったく違う感覚なのがとてもおもしろい。
湯上がりは北海道の木でつくられた喫茶スペースで、旭岳の湧き水や珈琲を飲んで寛いで。夜はラウンジの暖炉近くのソファが心地よく、山小屋の雰囲気がある部屋も居心地がいい。あっという間に時は過ぎて、とても1泊では足りない。
連泊すると間の日はゆとりがあるので、がらりと雰囲気が違う別館浴場「神々の湯」へも入ってみる。吹き抜けの大空間に差し込む光が神々しく、身も心もリフレッシュできる。身体を動かしたくなったら宿の周りの大自然へ。冬はスキーも楽しめるが、たとえばスノーシューを借りて雪原を歩くだけでもいい運動になる。帰りは旭川へ出て北海道家具の工房を訪ね、美瑛へ足を延ばすのもよい。
<温泉data>
泉質|硫酸塩泉、マグネシウム−硫酸塩泉、炭酸水素塩泉、ナトリウム−硫酸塩泉、ナトリウム・カルシウム−塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉
湧出温度|非公開
かけ流し|〇
line
《酸ヶ湯温泉旅館》
≫次の記事を読む
湯元 湧駒荘
住所|北海道上川郡東川町勇駒別
Tel|0166-97-2101
料金|1泊2食付1万5000円〜(税・サ込)
IN|15:00
OUT|10:00
キッチン×/ランドリー〇/Wi-Fi〇/送迎×
《保養スタイル別温泉宿》
01|北海道・旭岳温泉《湯元 湧駒荘》
02|青森県・酸ヶ湯温泉《酸ヶ湯温泉旅館》
03|宮城県・川渡温泉《山ふところの宿 みやま》
04|栃木県・板室温泉《大黒屋》
05|宮城県・東鳴子温泉《旅館大沼》
06|神奈川県・強羅温泉《国民宿舎 箱根太陽山荘》
07|新潟県・栃尾又温泉《自在館》
08|新潟県・村杉温泉《角屋旅館》
09|大分県・長湯温泉《大丸旅館》
10|大分県・鉄輪温泉《湯治柳屋》
text: Hiroko Ishii
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」