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新潟県・栃尾又温泉《自在館》
ぬる湯でとにかく癒される温泉宿
|温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ
保養スタイル別温泉宿⑦

2024.2.22
新潟県・栃尾又温泉《自在館》<br>ぬる湯でとにかく癒される温泉宿<br><small>|温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ<br>保養スタイル別温泉宿⑦</small>

「ゆるりと心身を癒してくれる温泉宿」をテーマに、温泉ビューティ研究家・石井宏子さんが選ぶ保養スタイル別温泉宿を紹介。温泉滞在は連泊してこそ。移動の心配がない「自由な丸一日」ができ、温泉をゆっくり堪能できる。ゆとりがあると心も身体も喜ぶし、旅の楽しみ方が多角的に変わっていく。
 
今回は、ぬる湯独特の入浴文化が満喫できる新潟県・栃尾又温泉の「自在館」を紹介する。

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ぬる湯に浸かって心身ともに脱力

ぬる湯とは永遠の癒し場である。暑い夏だけでなく、寒かろうが豪雪をかき分けてでも、「ぬる湯」に浸かって脱力したいと願ってしまう。上越新幹線のJR浦佐駅を降りたら送迎バスで宿の玄関に横づけ。日常からストレートに行けてしまうシンプルアクセスは、現代人の駆け込み寺的保養にぴったりだ。

泉質は単純放射能泉でアルカリ性の柔らかな湯。含有されるラドンが身体を温めて細胞に活力を与えてくれる。共同湯が3つあり、日替わりで男女入れ替え、体温と同じくらいの源泉そのままの湯船に30分くらい入り、ちょっと寒くなったら加温した温泉でほかほかと温まり、またぬる湯へ。それを繰り返して1時間くらい入る独特の入浴文化。湯の中でうたた寝する人、読書する人もいる。時間をかけてひたひたと湯のパワーが染み入ってくる。「凝りが楽になった」、「肌がつややかになった」だけでなく「白目に透明感が出た」という人も。1日目はとてつもなく眠くなり、温泉と食事以外は、ほぼ寝ている感じ。連泊すると本でも読むかとか、パソコンを開いてみるとかいうゆとりが生まれる。まあ「食う、寝る、入る」だけというのも究極の幸せである。

栃尾又温泉の共同湯である3つの大浴場のほか、さらに宿の中に無料の貸切風呂が3つある。こちらは39〜42℃に加温した自家源泉100%かけ流し。予約制で利用でき、誰にも気兼ねなく湯に浸かれるので心安らげる
毎日献立が替わる食事は、地元食材の手づくり料理。心身を整える連泊湯治なら一汁四菜。そこにイワナの塩焼きや鴨鍋などを加えても。魚沼産コシヒカリのご飯も絶品
全館Wi-Fi完備で、部屋でも仕事ができるが、大きい机で作業したいときはロビーや食堂も利用できる。食堂はランチ営業もしているので困らない。木曜は座禅も行われている
和室にベッド、畳にお布団でも到着時から敷かれている。どちらも眠りにこだわった寝具で深い海の底に落ちていくように熟睡。連泊3日目には身体がふわっと軽くなる感覚に

<温泉data>
泉質|単純放射能泉(低張性アルカリ性温泉)
湧出温度|約36℃
かけ流し|〇

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新潟県・村杉温泉
《角屋旅館》

 
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自在館
住所|新潟県魚沼市栃尾又温泉
Tel|025-795-2211(9:00〜17:00)
料金|1泊2食付1万7270円〜(税・サ込) ※連泊割引あり
IN|15:00
OUT|11:00
キッチン×/ランドリー〇/Wi-Fi〇/送迎〇

text: Hiroko Ishii
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」

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