栃木県・板室温泉《大黒屋》
温泉滞在で感性を磨く
|温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ
保養スタイル別温泉宿④

2024.2.19
栃木県・板室温泉《大黒屋》<br>温泉滞在で感性を磨く<br><small>|温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ<br>保養スタイル別温泉宿④</small>

「ゆるりと心身を癒してくれる温泉宿」をテーマに、温泉ビューティ研究家・石井宏子さんが選ぶ保養スタイル別温泉宿を紹介。温泉滞在は連泊してこそ。移動の心配がない「自由な丸一日」ができ、温泉をゆっくり堪能できる。ゆとりがあると心も身体も喜ぶし、旅の楽しみ方が多角的に変わっていく。
 
今回は、歴史ある下野の薬湯と現代アートに癒される栃木県・板室温泉の「大黒屋」を紹介する。

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“アート”と“保養”で癒される

韓国・慶州の黄土を使った40℃の低温サウナ「アタラクシア」は、専用の浴衣を着て床にごろんと寝転び、じっくり発汗を促す。温かい床の感触が心地よく、うとうと

保養とアートの宿ってなんだろう。板室温泉は那須温泉郷の中でも湯治場の歴史を重ねた静かな温泉地。下野の薬湯と呼ばれ、身体の痛みが取れると湯治客に人気だった。つるつる、柔らか、ちょいぬるめ。アルカリ性単純泉の温泉は何度入っても癒される。

インスタレーション庭園を通って宿の玄関へ。現代アートに心が躍る。「菅木志雄 倉庫美術館」には、チャーミングな菅木志雄さんの作品が手招きするように並んでいる。予約制のガイドツアーあり

アーティスト菅木志雄さんのインスタレーション庭園を通り純和風の玄関をくぐった先にはサロンがあり、月替わりで違う作家の工芸品が並ぶギャラリーになっている。

客室には、那須の木工作家の大きなテーブルと椅子。パソコンで仕事をしたり、夕朝食も部屋食なので、まるで我が家のダイニングテーブル。一人専用部屋は住みたくなる空間

一人専用の客室、松の館「シングルルーム」ができたのは2013年。10年も前から365日いつでも一人で泊まれる稀少な温泉宿だった。しかもこの部屋がすこぶる居心地がよい。全室南向きに窓があり、明るい窓辺に大きなダイニングテーブルと椅子がある。お気に入りのコーヒーを淹れてみようか、読みたかった本を広げようかとワクワクする。

ほっとさせてくれる、滋味深く丁寧につくられた料理の数々。夕食も朝食も部屋に運ばれてくるので、自分の家のように寛いで、自分のペースで食事ができる

食事は夕食朝食ともに部屋へ運ばれる。お膳スタイルで、何度も仲居さんが入ってくる提供の仕方ではないので、マイペースでのんびり食事が楽しめる。ベッドの寝具が絶品で、夜温泉へ入ってベッドへもぐり込めば、吸い込まれるように朝まで眠ってしまう。

<温泉data>
泉質|アルカリ性単純泉
湧出温度|約36〜44℃
かけ流し|〇

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宮城県・東鳴子温泉
《旅館大沼》

 
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大黒屋
住所|栃木県那須塩原市板室856
Tel|0287-69-0226
料金|松の館シングルルーム1泊2食付2万6550円〜(税・入湯税込)
IN|14:00
OUT|11:00
キッチン×/ランドリー〇/Wi-Fi〇/送迎〇

text: Hiroko Ishii
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」

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