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大分県・長湯温泉《大丸旅館》
炭酸泉を満喫できる温泉宿
｜温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ
保養スタイル別温泉宿⑨

2024.2.24

大分県・長湯温泉《大丸旅館》<br>炭酸泉を満喫できる温泉宿<br><small>｜温泉ビューティ研究家・石井宏子が選ぶ<br>保養スタイル別温泉宿⑨</small>

「ゆるりと心身を癒してくれる温泉宿」をテーマに、温泉ビューティ研究家・石井宏子さんが選ぶ保養スタイル別温泉宿を紹介。温泉滞在は連泊してこそ。移動の心配がない「自由な丸一日」ができ、温泉をゆっくり堪能できる。ゆとりがあると心も身体も喜ぶし、旅の楽しみ方が多角的に変わっていく。
　
今回は、鮮度が際立つ源泉かけ流しの炭酸泉が楽しめる大分県・長湯温泉の「大丸旅館」を紹介する。

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源泉かけ流しの炭酸泉で血行促進

「ラムネ温泉館」にも無料で入れる。藤森照信さん設計の建築も楽しい。32℃の源泉を大量に注ぎ込む露天風呂は炭酸ガス1297㎎含有の炭酸泉。数分じっとしていると全身に炭酸の泡がびっしり

長湯温泉はプチプチ弾けるラムネ温泉が注目されるが、宿ごとに違う自家源泉の実力もすごい。大丸旅館では毎朝9時に湯を完全に抜いて清掃し新しい湯を注ぐ。泉質はマグネシウム・ナトリウム・カルシウム–炭酸水素塩泉、成分総計は4480㎎あり、温泉成分が表面だけ結晶し、膜のような状態になる。二酸化炭素ガスは735㎎含有。1㎏中1000㎎以上ないと二酸化炭素泉の泉質名はつかないが、湯に浸かるとみるみる血行が促進し、じんじんと染み渡るように肌が紅潮していく。

温泉街に数カ所の飲泉場がある。点滴のように少しずつ飲むのがコツ。炭酸を含みミネラル豊富な温泉は、胃腸の働きを活発にし利尿作用を助け、糖尿病の療養にも効果的

2泊くらいの保養なら、美味しい食事も炭酸泉も、といいとこ取りがしたい。大丸旅館でゆったり過ごすなら別館の藤花楼に滞在したい。個室で味わう食事がとても美味しくて、飲泉もできる温泉でせいろ蒸しする和牛蒸ししゃぶのジューシーで旨みたっぷりの味わいが忘れられない。朝湯で目覚めたら温泉粥の優しい朝食。身体の中からも温泉のミネラルを取り入れてととのうことができる。
　
湯も建物も個性豊かな外湯をめぐり、飲泉したり産直市をのぞいたり、散歩が楽しい。丸山公園の山道を登ったところに「Cafe 風と土」ができた。くじゅう連山を大パノラマで眺めるお気に入りの場所だ。